美しさを生む伝統技法「コバ塗り」
鞄工房山本では、革の断面にニスを塗り重ねる「コバ塗り」をランドセル作りに取り入れています。
コバ塗りは鞄業界で「切り目」と呼ばれる伝統的な工法で、主に高級紳士鞄などに用いられます。
コバ塗りで生まれる上品なシルエット
鞄工房山本のランドセルの多くは、コバ塗りを採用しています。
「コバを磨いてニスを塗る」という工程を3回〜4回繰り返して、ようやく完成するコバ塗り。一つひとつ手作業で行うため、1日に仕上げられる数も限られますが、手間がかかる分、より美しく上品なシルエットを生み出すことができます。
「6年間毎日使うランドセルだから、丈夫さだけでなく、見た目の美しさにも妥協しない」そんな思いが鞄工房山本のコバ塗りランドセルにはこめられています。
コバも豊富なカラー展開
鞄工房山本でコバ塗りに使うニスは全部で8種類。
革だけでなく、コバの色にもこだわり、よりかっこ良く、より上品なランドセルを目指しました。
ランドセル選びの際は、コバ塗りの色にもご注目ください。
コバ塗りの工程
磨きから仕上げまで、一つひとつ手仕事で行うコバ塗り。均一にニスを塗るためには、熟練の技が必要です。
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1.バフィング・磨き
革の繊維を締めます。 -
2.下塗り(1回目)
下塗りとして最初のニスを塗ります。 -
3.磨き
下塗りの表面を磨いて滑らかにします。 -
4.本塗り(2回目)
ニス塗りをおこないます。 -
5.磨き
本塗りを磨いてさらに滑らかな下地に。 -
6.仕上げ塗り(3回目)
最後に仕上げのニスを塗って完成です。
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01.バフィング
ダイヤモンドディスクを取りつけたバフィングマシンでコバの角を落とします。その後、木目ディスクに変え、革の繊維を締めます。
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02.コバ塗り(ニス塗り)
断面に目留め液を塗り、サンドペーパーで磨きます。それからニスの下塗りをおこないます。
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03.コバ磨き
下塗りのニスを乾かしたら、再度目留め液を使ってコバを磨きます。本塗りをしてまた磨き、最後にもう一度仕上げ塗りをします。
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04.縫製
ドイツ製の厚物専用ミシンを使って、0番の極太糸で縫製。太い糸を使い正確なピッチで縫い上げるのは、経験と技術が必要な難しい仕事です。
コバの塗り直しについて
コバ塗りのニスは丁寧に塗りと磨きを繰り返しておりますので、簡単に剥がれることはございません。
しかしながら、ランドセルはお子さまが6年間お使いになるものですので、新品同様の状態でご卒業までお使いいただくことは大変難しく、ご使用状況により、ある程度の剥がれは生じてきてしまいます。
とはいえ、使い込むほどに現れるそうしたコバの表情の変化も、手間ひまかけたコバ塗りランドセルならではの特徴です。ランドセルに重ねられる傷や汚れとともに、コバの変化も含めて、お子さまの成長の印であるとお考えいただけましたら幸いです。
なお、数年間お使いいただき、どうしてもコバの剥がれが目立って気になる場合は、往復分の送料をご負担のうえ当店までランドセルをお送りいただけましたら、コバの塗り直しをさせていただきます。
(塗り直した場合でも、経年で再度剥がれが生じてまいります。予めご了承ください)