~ため息が出るほどの美しさ ~ 「染工房 夢祐斎」訪問記

間近に感じる色鮮やかな山の新緑と、心地よい川のせせらぎが響き渡る、京都の嵐山。 この自然豊かな地に、世界的にも有名な染色作家・奥田祐斎先生がいらっしゃいます。 祐斎先生は当工房の「オールコードバン 夢こうろ染」のコードバンを染色してくださっています。 艷やかなコードバンと、色鮮やかで上品な夢こうろ染の組み合わせはため息が出るほどの美しさです。 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」 この日は、工房スタッフと販売スタッフ、合わせて30名ほどで「染工房 夢祐斎」へ研修に伺いました。 平安時代初期、日の光によって色が変化する「黄櫨染(こうろぜん)」は天皇しか着用が許されていなかった高級品でした。 その黄櫨染の歴史から、祐斎先生の海外で出展された作品まで。 ビデオを交えながら勉強させていただいた後は、祐斎先生がこだわり抜いた工房内の見学をさせていただきました。 祐斎先生のこだわりは細部まで手が抜かれることはありません。 なんと! 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」 お手洗いまで祐斎先生色なのです! 私はこれほどかっこいい洗面台を今までに見たことがありませんでした。 やはりここまで細かく目が届く先生だからこそ、あの美しい染めも再現できたのでは、と思いました。 工房の見学が終わった後は、畳の部屋に集まり祐斎先生直々に染めの歴史について教えていただきました。 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」 祐斎先生は黄櫨染を熱心に研究され、独自にアレンジし、「夢こうろ染」として現代に蘇らせました。 深い緑色の染め物にライトを当てることにより、太陽のような情熱的な色が浮かび上がってくる姿はとても神秘的で、思わず「お~~」と歓声が上がるほどでした。 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」 落ち着いたシックなモノクロの着物も、光を当てることにより宝石のように鮮やかな色に輝き出します。 この表情の変化を見させていただいたとき、あまりの美しさに開いた口が塞がりませんでした……。 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」 祐斎先生は「僕の夢こうろ染は世界一だ。だから鞄工房山本さんのランドセルも世界一です。」と嬉しそうにおっしゃってくださいました。 ご自分の作品に圧倒的な自信をもっているからこそ、祐斎先生の作品には美しさと迫力があるのではないか、と感じました。 その他にも、「海外の硬水は細かいデザインの染めが得意。日本の軟水は淡いにじみを活かしたデザインの染めが得意。」など、水によってもそれぞれ染め方が変わってくることを教えていただきました。 身近に見ているスカーフなどにもそのような特徴の違いがあることに驚いたとともに、専門分野とは違った新しいことを学べることにとてもわくわくしました。 祐斎先生の宝物も特別に見せていただきました。 なんと、500万年前の枯れ木だそうです。 水に漬けられており、触ると湿り気を帯びています。どことなく墨を思わせるような上品な香りがしました。 とてもそのように古い時代の木とは思えないほどしっかりとしていました。 恐竜がいた時代の木が、目の前にあるというのはとても不思議な感覚でした。 その木で染めた布は、日本らしい詫び寂びのある渋い色で仕上がっており、とても上品な染め物でした。祐斎先生は「500万年前の匂いがするだろう」といたずらっぽく笑っていらっしゃいました。 そしていよいよスタッフ全員が楽しみにしていたハンカチ染め体験。 にじみを活かした線で表現をしてみたり、 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」 色とりどりの文字に思いを込めてみたり、 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」 ステンシルのように、花型に色をのせたり。 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」 色の置き方やテクニックをアドバイスしていただきながら、思い思いのハンカチをつくることができました。 革とはまた違った味わい深い世界にどっぷりと浸かることのできた一日でした。 美しく繊細な染めと、力強く艷やかな革が合わさることにより生まれた「オールコードバン 夢こうろ染」。 その現場を間近に感じられ、改めてこのランドセルはたくさんの方達が携わってくださったおかげで生まれた作品だ、と感じました。 そして、祐斎先生のように自分の仕事に自信を持ち、鞄工房山本のランドセルの魅力をもっと多くのお客様に知ってもらいたい!と思いました。 格式ある工房に緊張していた私達を、ユーモアあるお話であたたかくお出迎えしてくださった奥田祐斎先生。 丁寧に細部までご案内してくださった奥様の恵美さん。工房の方々。 とても貴重な体験をさせていただいて本当にありがとうございました。 鞄工房山本 ランドセルBLOG「ため息が出るほどの美しさ」

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