鞄工房山本版 奈良ガイド 『霜月』 ~この時期だけの鮮やかさ!紅葉柿の葉寿司~

「奈良の郷土料理といえば?」と尋ねられたとき、あなたなら何と答えますか? 今回ご紹介する「柿の葉寿司」は、これまで食べたことはなくても、おそらく多くの方が一度はその名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

柿の葉寿司とは?

柿の葉寿司とは、押し寿司を柿の葉で包んだもので、主なネタはサバや鮭です。 奈良では吉野をはじめ、多くの地域で古くから家庭の味として親しまれてきました。 酢飯にネタをのせ、酢水にさらして塩漬けにした柿の葉で包んだ柿の葉寿司には自然の殺菌効果があり、日持ちのする食べ物として重宝されたといいます。 ランドセルの鞄工房山本 奈良の代表的な郷土料理として知られる柿の葉寿司ですが、お土産としても人気で、県内には柿の葉寿司を販売する店舗が多数あります。 鞄工房山本 奈良本店から車で5分の場所にも、柿の葉寿司の販売所「柿の葉すし 山の辺」さんがあります。ご夫婦で営まれ、ファンも多く地元に愛されているお店です。

見た目鮮やか!紅葉の柿の葉寿司

山の辺さんには、秋が深まり冬へと向かうこの季節ならではの柿の葉寿司があります。 それがこちら。押し寿司を包む柿の葉に、紅葉した葉っぱを使ったものです。 06nov2016_22 私たちが取材に伺った日は、赤い葉と緑の葉の市松模様。青葉の緑に、深みがありながらも鮮やかな紅葉の赤が映え、思わず見とれてしまいます。 柿の葉は、ほぼ毎日山へ出向いて採集するため、その日に採れる葉の種類や数により、つくる模様も違ってくるとのこと。本格的な紅葉シーズンに入り、綺麗に色づいた葉が多く採れるときには、すべて暖色系の葉でつくられるそうです。 赤、オレンジ、黄、山吹色の葉を、それぞれの葉の表情を見ながらバランス良く配色する作業は、奥様の腕の見せ所のひとつだとか。 ご夫婦が柿の葉寿司のお店を始めたのは約10年前。開店当時から、人がそれほど多くはないこの場所でお店として生き残っていくために何か工夫が必要だと考えていました。 ある時、いつものように山へ柿の葉を取りに行った際、ふと反対側の山を見ると、山が紅葉で赤く染まっている…。その景色を見たときに、「この紅葉の葉で包んだらどうだろう!」とひらめいたそうです。 紅葉の柿の葉寿司は、毎年11月上旬頃から12月末までの期間限定販売です。 家族みんなで食べるごちそうとしてはもちろん、贈り物としても喜ばれそうですね。 年々口コミなどで知名度が上がり、今年のネット予約分は、9月の販売後、3日で完売しましたが、お店では葉の採集状況によって随時販売されるそうです。 ご主人によると、今年は色づき始めるのが遅いため、お店での販売が11月中旬以降になりそうだとのことでした。 ちなみに、柿の葉寿司の食べごろはネタと酢飯がほどよく調和する3日目だそう。1日目、2日目、3日目でそれぞれ味が変わるので、食べ比べをして、自分のお気に入りの味を見つけてみるのもおすすめです。 保存のポイントは、人が心地よいと感じる状態で置いておくこと。玄関や普段使わない客間などではなく、冷えすぎず、あたたかすぎないリビングやダイニングに置いておくのが良いそうです。 お近くにお越しの際には、目で見て美しく、味わっても美味しい季節限定の柿の葉寿司をぜひご賞味いただければと思います。

体験!柿の葉寿司づくり

また、山の辺さんは、柿の葉寿司を実際につくって食べるという体験ができる“「柿の葉すし 体験道場」天空の郷”の運営もされています。 体験道場は直売所から車で5分ほど山道を登った、見晴らしの良いところにあります。山々の間から街を一望でき、まさに、「天空の郷」といえる場所。 ランドセルの鞄工房山本 道場では、道場主である奥様から教わりながら、実際に自分の手で柿の葉寿司をつくります。 全部で25個つくり、5個は体験後に昼食としてその場でいただき、20個はお土産としてご自宅へ。昼食時には、にゅうめん(冬季)またはそうめん(夏季)と、奥様の手作りケーキ、コーヒーも付いてきます! 「家に帰ってからも皆さんでつくっていただけるように」とのご夫婦の想いから、材料やレシピはすべて教えていただけます。また、まな板やお箸、お寿司の型、手袋など、使う道具も実際にお店で使っているものと同じで、お寿司の型も100円ほどで市販されているものを使われています。 ランドセルの鞄工房山本 柿の葉やお魚の下準備から、お寿司の成形、柿の葉でお寿司を包む作業まで、奥様の実演では、流れるような手さばきで、きれいな柿の葉寿司ができあがります。 ひとつひとつの作業は単純そうに見えて、やってみると意外と難しく、柿の葉寿司づくりの奥深さを実感させられました。 特に、柿の葉でお寿司を包むところで、巻き終わりに葉を折り込む作業には苦戦しました。 ランドセルの鞄工房山本 自分でつくった柿の葉寿司でも、ラッピングをすると、まるでお店で売っているかのような仕上がりに。うまく包めなかったと思っていても、柿の葉は時間が経つにつれて自然と中の押し寿司になじんでくれるそうです。 ランドセルの鞄工房山本 今回はじめて柿の葉寿司づくりを体験し、お店で売られている柿の葉寿司にはとても手間がかかっているということに気づきました。これからは、感謝とともに、つくり手の方々の愛情もしっかり噛みしめながらいただきます! 体験後には、道場で柿の葉寿司づくりを習得した証として「合格シール」をもらえます。 ランドセルの鞄工房山本 体験料は、昼食付きでお一人さま5000円(税別)。10日前までの予約が必要です。 ご都合がよろしければ、こだわりの柿の葉寿司づくりを体験してみてはいかがでしょうか。 紅葉の柿の葉寿司や体験道場についての詳細は、「柿の葉すし 山の辺」さんへお問い合わせくださいませ。 柿の葉すし 山の辺 〒633-0045 奈良県桜井市山田676-2 TEL/FAX 0744-45-3675 営業時間:午前10時~午後5時 定休日:毎週火曜・水曜

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