今年も全国各地で紅葉の便りが聞かれる頃となりました。
奈良にも紅葉の名所がいくつかありますが、多武峰(とうのみね)にたたずむ談山神社(たんざんじんじゃ)もその一つ。連日多くの観光客で賑わっています。
鮮やかな紅葉で有名な談山神社ですが、社号の起こりには、ある有名な歴史上の出来事が関わっています。それは、645年に起こった「大化の改新」。
その昔、蘇我入鹿討伐のため、中臣鎌足(のちの藤原鎌足)と中大兄皇子が大化の改新の談合を行ったのが、談山神社のある多武峰の山中と言われています。それから、多武峰を「談峯」「談(かたら)い山」「談所」と呼ぶようになり、それが現在の社号「談山神社」の起こりとなったのです。歴史の教科書に出てくる大化の改新は、まさにここから始まったと言えるでしょう。
そんな談山神社へは最寄りの桜井駅からバスやタクシーで約25分。曲がりくねった山道の先にあり、決してアクセスしやすい場所にはありませんが、シンボルの十三重塔や本殿を包むように広がる紅葉は一見の価値があります。中でもおすすめの鑑賞スポットは、談山神社の正面にある旅館「南山荘」辺りから見る風景。多武峰の山中からひょっこりと顔を出す十三重塔を見ることができ、人気の撮影スポットにもなっています。ちなみに、この十三重搭、国の重要文化財に指定されており、木造で現存している十三重塔としては世界で唯一だそうです。
3000本ものカエデに包まれ「関西の日光」とも呼ばれる談山神社。11月29日(日)まではライトアップも行われています。ぜひお出かけください。
【談山神社】
〒633-0032 奈良県桜井市多武峰319
TEL:0744-49-0001
<アクセス>
近鉄大阪線・JR桜井線にて桜井駅下車。
桜井駅南口より、バスまたはタクシーで約25分。
http://www.tanzan.or.jp/