皆様こんにちは。鞄工房山本 二見です。 週2回ほど
革製品に関するブログを書いています。
まだ入社して半年くらいなので、鞄工房山本のランドセルとの付き合いもそう長くない私は、お蔭で出会いの時を鮮明に覚えています。当時私は関東におりまして、この会社面白そう、求人に応募してみようかな、と思ったときに表参道と銀座のお店に行ってみたのです。第一印象は、「なんてバツーンとして、立派なのだ」、でした。革に関係する仕事をなんやかんやと15年位やっていたので、多少のことでは驚かないわたしですが、別の言い方をすると「おお」、が感想でした。
そんな前置きはこれくらいにして、鞄工房山本の数あるランドセルの中で私の一番のおすすめは、
Drrrrrrrr
(ドラミング)
カシャーン
(シンバル)
と、始めようとしてふと気が付きました。ベストナントカって、下の順位から発表することが多いですよね。でも鞄工房山本のランドセルランキングは、いつも1位から。マジメなんです。でも、気づいてしまったからには、どっちから行きましょう。
え?なんですって?
どっちでもいいから早くしろ?
すみません!
1位 オールコードバン(黒)
1位は
「オールコードバン」(黒)です。
コードバンは馬のお尻の革、なのでさほど大きい面積がありません。それなのに、ランドセルのゆったりとしたカブセを作るなんて!
とはいえ、子どもたちには「贅沢に革を使用して」といった能書きは通用しません。カッコいい、可愛い、きれい、と直感的に思ってもらい、6年間のパートナーにしてもらえることが重要です。などと侮るなかれ、あるエピソードを思い出しました。
沖縄でダイビングをしたときに、インストラクターをしてくださった壮年の男性と話していたら、私が革の仕事をしていると聞いたとたんに
「僕ね、小学校に上がるときにコードバンのランドセルを買ってもらって、その革のいい匂いを今でも覚えていて、革が好きなんですよ―。」
それは、五感に響いてしまった革。そして、人生で特に深く革に関わろうが、関わるまいが、「好き」「大切」と記憶されるオブジェのお話。沖縄で毎日海に入って、ウミガメとしょっちゅう遭遇する生活を送っている方から、コードバンのランドセルの話をお聞きするコントラストも不思議な感じがして面白かったのですが。
そんな強烈な印象を子どもたちに残してしまうかも知れないオールコードバンのランドセル。色も敢えて、女の子にも男の子にも黒を提案。凛とした立ち姿が素敵です。
2位 フィオーレコスモス(ローズ)
1位とはうって変わって、カワイイ可愛い「
フィオーレコスモス」です。
女の子って、いつから「可愛い」ものが好きなのでしょう。
私は常日頃、「男は男らしく、女は女らしく」なくても全然え-やん、と思っています。でも、小さい女の子がお花のモチーフのついた、ローズピンクのランドセルを背負って、嬉しそうにしている姿をショールームで見かけると、感動します。なんでしょう、あれは。
このランドセルは、見れば見るほど「カワイイ」がぎゅっと詰まっています。スキあらば(?)、スカラップ(尖った部分のある、波状の線)状に走るステッチ。内装生地。カシメもお花の形。でも正面のカブセに咲いているコスモスは一つだけ、左手に描かれています。その控えめさも、飽きのこないロングセラーになった秘密です。
3位 オックスフォード (紺×ブラウン)
昨年9月も後半に差し掛かった頃、「ランドセルなほうの王子」からお題を出されました。
「イギリスのメンズ靴をもとにして、新型のランドセルをデザイン」
Dgwaaaaan
(ドラの音)
やった-、ランドセルの国にきたのだから、ランドセルの仕事をしてみたいと思っていたのです。昔から、お題(テーマ)を出されると楽しむ方でして。お題をふくらませるのも、うまい具合に脱線せずにそれらしく見せるのも全てさじ加減。しかも、昔10年位メンズ靴の仕事をしていたので久々に穴飾りのデザインができるのも嬉しかった。でも、実はテーマを考えるほうがそもそも大変だったりするのです。その時点でハズレだとどうしようもない。
手前味噌になってしまう気がして、あえて「
オックスフォード」はこのランキングに最初入れていなかったのですが、「良い子」なカオに出来上がったのでお披露目の機会を増やしてあげました。でも、コバ色によってはただの優等生ではないやんちゃさも出しています。店頭、展示会でぜひ御覧ください。
以上、「私のオススメするランドセルベスト3!」でした。
鞄工房山本 二見
これまでの「私のおすすめランドセルベスト3!」はこちら
「私のおすすめランドセルベスト3!」第4回 1位 アンティークブロンズ
「私のおすすめランドセルベスト3!」第3回 1位 フィオーレ・ブロッサム
「私のおすすめランドセルベスト3!」第2回 1位 リベルタ
「私のおすすめランドセルベスト3!」第1回 1位 ラフィーネ