青い海と山の緑に恵まれた
自然豊かな街で、学び、歌い、家族と楽しんだ6年間
細い路地を抜けると、目の前に広がるのはビーチ。アリサちゃんにとって、散歩をしたり海開きに参加したりとお馴染みの場所です。緑も多い落ち着いた街で、同級生夫婦のお父さんとお母さん、5歳上のお姉さんに見守られて伸びやかな6年間を過ごしました。
仲よしのお友達とおそろいのブルー。
毎朝お母さんが見送った思い出のランドセル
アリサちゃんのランドセルは海を思わせるハーバーブルー。迷わずこの色を選びました。「仲のいいお友達が水色にするって聞いて、一緒にしたかったんです」とにっこり。「普段はブルーを選ばないのにね」と小声で指摘するお姉さん。「このランドセルは先生たちも『すごくかわいいね』って。ほめてもらえて嬉しかったな」。色もデザインもお気に入りで6年間一緒に登校しました。
小さな背中に大きなランドセル。その姿をお母さんは毎朝見送ったそうです。「ブルーの後ろ姿は見失いませんね。遠く見えなくなるまで手を振っていました。1年生の頃はランドセルが歩いているかと思うほどでしたが、すっかり大きくなりました」。学校から帰るとアリサちゃんはリビングへ。「ランドセルを傍らに、宿題したり翌日の教科書を入れるのがわが家の光景でした」とお姉さん。ランドセルにはご家族の思い出もたっぷりつまっているようです。
インターネットで検索して見つけた鞄工房山本。
カタログと革見本は、今も大切に
ランドセル選びはカタログと革見本が決め手だったといいます。それは6年以上経た今も大切にしまわれていました。
「革とデザインがきれいですよね。奈良県の名所が紹介されていたのも印象的でした。なくても構わないのに、あえて載せた思いがすてきだなと感じるものがありました。今も捨て難いです」とお母さん。吟味を重ね選んだランドセル。のしにお父さんのお名前を入れ「パパからの贈り物」として一家にやって来たのです。
小学生で始めた声楽。歌うことが楽しくて大好き
アリサちゃんにはお姉さんの影響で始め、夢中になっていることがあります。それは声楽。もともとピアノを習っていましたが、お姉さんの歌う姿を間近で見ているうちに興味を持ち大好きになりました。お姉さんは「歌うことがとにかく好き」で声楽を始めて8年目といいます。
「二人ともずっと歌っているんです。リビングでもお風呂でも、外出した時は車内でも。歌声が大きくてナビの音声が聞こえないぐらいなんですよ」とお母さん。姉妹どちらかが口ずさんでいると、もう一人が自然に加わりハーモニーに。一家にはいつも姉妹の歌声が響きます。
お父さんに趣味を楽しむ時間をプレゼント。
もらって嬉しかった手紙は、いつも目にする壁に
ご家庭には写真や手紙があちらこちらに飾られています。アリサちゃんからのお礼の手紙もあれば、お父さんの思いを綴ったものも。さらには「家族で全都道府県を巡る!」という目標のもと、訪れた場所が色分けされた日本地図も貼られています。一家での外出が多いそうですが、バイクが趣味のお父さんに「父の日だからツーリングに送り出した」という粋なプレゼントも。一緒にいてもそうでなくても、つながりを感じるご家族です。
中学生になったアリサちゃん。どんな夢を持っているでしょう。「ホテルコンシェルジュになりたいんです。家族で旅行した時、コンシェルジュの方がすごく親切だったから。1年後に行った時も覚えていてくれたり、チケットを一生懸命探してもらったこともあります。人を思う気持ちがすごいなあと思って。私もそうなりたいです」。一方、お母さんは「幸せな大人になってほしい」と願っています。「どこにいても何をしていても、自分で自分を良く評価できるような。まずは好きなことをやってほしい」。そんなご両親のもと、アリサちゃんは大人へ一歩踏み出したところです。