ランドセル革の驚くべき進化
ランドセル表面の革の選択も時代によって変わっていった。昔はつやのある革が用いられてきた。光り輝くランドセルの印象が親世代の大人にはあるだろう。 しかし、今のランドセルは、表面にコーティングを施すことで防水性や傷への耐久性を向上させた。だから通常の使用においてはメンテナンス要らずと言われるのだ。 たとえ鉛筆の線が付いたとしても加工のおかげで消しゴムを使っても革のつやを損なうことを心配しなくてよいのだ。 昔は表面につやを出す塗料を塗っていた。だから、消しゴムや汚れ落としの為の洗剤等でこすることで、表面に傷をかえってつけてしまっていたのだ。 そして内装も変化してきている。昔はランドセルの中に内張りをしていなかった。ランドセルを開けると、革の裏側が見えたと言う訳だ。そこから水や汚れ、傷がついて革自体の耐久性へと影響を与えてしまう。 従って、人工皮革の内張りを施すことでよりメンテナンス要らずとなったのだ。 これらの進化は、長い間のランドセルとの関わりで必要だと感じたからのことだ。 「ランドセルを毎日開けて点検する親はそういないと思うんですよね。」と常務は母親としての顔を見せた。だからこそ、内張りの撥水性や本革の加工が親の安心へとつながるのだ。 その安心。違う形でも表現されている。6年間使い、出来る限り修理等での追加出費が無くて済むように。 その想いと共に、技術の進化が実現を可能にしてくれた。ランドセルを掛けるためのフックでさえ、こだわりを持って開発された。