「ヌメ革」のお手入れってどうすればいいの?

デニム調の牛革と、ナチュラルなヌメ革を組み合わせたデザインのランドセル「リベルタ」。 当社スタッフのお孫さんも愛用しています。 「リベルタ」に使用している「ヌメ革」には、革用のクリームや防水スプレーを使った定期的なお手入れも有効です。 しかし、「ヌメ革のお手入れって具体的に何をしたらいいの?」、「どのくらいの頻度でお手入れを行うといいのかな?」など、普段革製品のお手入れをする機会がない方にとっては、何をどうすればよいのかわからず困ってしまうこともあるかもしれません。 そこで、今回は、「リベルタ」のヌメ革のお手入れ方法についてお伝えしたいと思います。当社スタッフのお孫さんからランドセルをお借りし、お手入れを行いました。 すでに「リベルタ」をご愛用いただいている方はもちろん、ご注文いただいた方、ご注文を検討していただいている方にもご参考にしていただけましたら幸いです。 ※なお、「リベルタ」のヌメ革を除き、当社のランドセルに使用している革はランドセル用に加工を施しているため、特別なお手入れは必要ありません。クリームやスプレーをご使用になると、かえってその部分がシミになる可能性もありますので、お気をつけくださいませ。

お手入れグッズについて

ランドセルの鞄工房山本 ◯汚れとり用ブラシ 大きさは問わず、革の表面についたホコリや汚れなどを払えるもので、馬毛がおすすめです。豚毛はかたくてヌメ革を傷つけてしまう可能性があります。 ◯柔らかい布 専用の布でなくても、着なくなったTシャツの端切れなど、指先に巻きつけられるくらい(爪で革に傷がつくのを防ぐため)の柔らかさがある布であれば問題はありません。 ◯クリーム 革用またはヌメ革用と記載のあるクリームをご用意ください。靴用クリームは成分によって革を傷めたりシミになったりする可能性があるため、おすすめしません。 ◯防水スプレー 革用もしくは、革の鞄にも使えると記載のあるスプレーであればお使いいただけます。スプレーの成分によっては革を傷めたり白っぽくなったりすることがあるため、ご購入・ご使用の際にご確認ください。

お手入れ方法について

お手入れ方法は簡単に分けて3つ。防水スプレーとクリームのどちらかだけを使う方法と、どちらも使う方法です。

(1)汚れとり→防水スプレーのみ

まずは、汚れとりのためにブラッシングを行います。強すぎず、でもしっかりと丁寧に革の表面についたホコリを払っていきます。(ヌメ革部分はもちろん、デニム調部分についたホコリや軽い汚れもブラッシングで取り除くことができます。) ランドセルの鞄工房山本ランドセルの鞄工房山本 続いて、防水スプレーを吹きかけます。十分に換気されている場所で行うのがおすすめです。 吹きかける前に、ヌメ革部分が乾いていることを確認して、ヌメ革以外の箇所にスプレーがかからないようにマスキングしてください。(もし他の部分にかかってしまっても、すぐにブラシで払ったり布で拭いたりしていただくと落とせます。) スプレー缶をよく振り、20cmほど離れたところから、手を動かしながら全体的にムラなく吹きかけます。(※はじめに一度目立たないところで試し、乾いたときにシミにならないか確認していただくと安心です。) 24Jun_6 革の表面がしっとりと濡れる程度が目安です。「革をこんなに濡らして大丈夫?」と心配される方もいらっしゃるかと思いますが、乾けばもとの色に戻りますのでご安心ください。 吹きかけた部分が乾いた後に、もう一度吹きかけて、終了です! ランドセルの鞄工房山本 スプレーをした部分は、乾くと撥水効果を発揮します。こちらの写真のように、革の上に水がかかっても、水滴が玉のようになって滑ります。スプレーをしてから30分もあれば十分に乾いた状態となり、ご安心かと思います。 防水スプレーのなかには、革の保護や栄養補給を同時にできるものもあるため、商品をお探しの際にはご参考にしていただければと思います。

(2)汚れとり→クリーム(保湿)→防水スプレー

ブラッシングをした後に、クリームを塗っていきます。(※はじめに一度目立たないところで試し、乾いたときにシミにならないか確認していただくと安心です。) ランドセルの鞄工房山本 柔らかい布を指に巻きつけて、クリームを少しすくい、小さな円から徐々に大きな円を描くようにクリームを広げながら、塗り込んでいきます。傷がない部分はなでるくらいに、目立つ傷には少しだけ強めに塗り込みましょう。塗りすぎた場合は、すぐに布やブラシで拭きとれば問題ありません。 クリームを塗った後に、防水スプレーを吹きかけて、終了です!

(3)汚れとり→クリームのみ(保湿/保湿+撥水)

革用のクリームには大きく分けて2種類あります。潤いと柔らかさを与える保湿のためのクリームと、保湿や栄養補給に加えて撥水効果が得られるクリームです。 撥水効果のない保湿クリームをお使いになる場合は、(2)でご紹介した方法で、定期的に防水スプレーと併用していただくとより効果的かと思います。 ここでは、栄養補給とともに撥水・防汚効果があるクリームを使ってみました。 ランドセルの鞄工房山本ランドセルの鞄工房山本 まずは、クリームを出す前によく振ります。布にクリームをのせて少しなじませ、指先に巻きつけて、革に塗り込んでいきます。こちらのクリームは水溶性のため、塗り込むと一瞬水に濡れたようになりますが、乾くと色が戻るのでご安心ください。なお、クリームによっては、お手入れ後にヌメ革の色が少しだけ濃くなる場合があります。 ランドセルの鞄工房山本 こちらのクリームも防水スプレーと同様に、乾くと撥水効果を発揮します。一雨に一回が目安の防水スプレーよりも効果が長持ちするのが特長です。実際には塗ってから数分経つと乾いて撥水しますが、十分な乾燥時間としての目安は48時間ともいわれているため、余裕を持って、小学校がお休みの日に塗るようにすると良いかもしれません。 それでは、お手入れ前とお手入れ後の写真を比べてみます! ランドセルの鞄工房山本こちらがお手入れ前です。こすり傷がいくつか見える状態です。 ランドセルの鞄工房山本こちらがお手入れ後です。右半分にはクリームと防水スプレー、左半分にはプロテクションクリームを使用しました。どちら側でも、時間が経つとはじめの傷が浮かび上がってくる可能性がありますが、お手入れ前と比べて革が潤い、なめらかな表面になりました。(撮影時の光の加減でヌメ革部分の色の濃さが異なっているように見えますが、実際は色の濃さはほとんど変わっていません。) お手入れのポイントは、「量より回数」。一度にしっかり行うというよりは、こまめに少しずつ行うのがおすすめです。例えば、「2ヶ月に1回よりは1ヶ月に1回、1ヶ月に1回よりは2週間に1回お手入れできると良いかな」という感覚です。 意気込みすぎず、お時間のあるときに気軽に革の表情を楽しみながら行っていただければ幸いです。
今回使用したお手入れグッズは下記の通りです。各商品の詳細につきましては、下記それぞれのページをご参照くださいませ。(鞄工房山本各店舗、もしくは香久山鞄店のWebサイトにてご購入いただけます。) ・ドイツ製馬毛ブラシ col-07062ドイツ製馬毛ブラシ・ミニ col-07063ヌメ革用クリーム col-02910革のお手入れクリーム Brillo(ブリオ)col-02921ユニタス・レザーケアキット UNI_LM50革のプロが選んだ防水・防汚・保革スプレー180ml col-01416

特別なお手入れをしなくても……

ランドセルの鞄工房山本 ちなみに、こちらはお手入れすることなくご愛用いただいた6年生のお子さまのリベルタです。特別なお手入れをしなくてもご使用上問題はなく、ヌメ革の味わい深い経年変化を楽しんでいただけます。 どこかでこすれてついた傷や雨の日にできたシミも、お子さまが日々を重ねた証として、時間が経つほどに革の味となり、ヌメ革ならではの風合いが出てまいります。 このように、お手入れは必須ではありませんが、「いつもおつかれさま、ありがとう」の気持ちを込めて、たまにお手入れをするのも良いかもしれません。 実は、ヌメ革部分を乾拭きするだけでも十分なお手入れになるんです!乾拭きは、ブラッシングなどでホコリを払ってから、きれいな布で、強くこすらず優しくなでるようにしていただくと効果的です。乾拭きを繰り返すと、革の中の油分が染み出すことで、光沢が増し、表面の保護や防水効果も期待できるため、お忙しい方にも簡単に試していただきやすい方法かと思います。 日々深みを増していくヌメ革の味わいの変化を感じることで、「世界に一つだけのランドセル」としてさらに愛着を持ってお使いいただき、かけがえのない毎日を元気に過ごしていただければうれしいです。

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