お手入れグッズについて
◯汚れとり用ブラシ 大きさは問わず、革の表面についたホコリや汚れなどを払えるもので、馬毛がおすすめです。豚毛はかたくてヌメ革を傷つけてしまう可能性があります。 ◯柔らかい布 専用の布でなくても、着なくなったTシャツの端切れなど、指先に巻きつけられるくらい(爪で革に傷がつくのを防ぐため)の柔らかさがある布であれば問題はありません。 ◯クリーム 革用またはヌメ革用と記載のあるクリームをご用意ください。靴用クリームは成分によって革を傷めたりシミになったりする可能性があるため、おすすめしません。 ◯防水スプレー 革用もしくは、革の鞄にも使えると記載のあるスプレーであればお使いいただけます。スプレーの成分によっては革を傷めたり白っぽくなったりすることがあるため、ご購入・ご使用の際にご確認ください。お手入れ方法について
お手入れ方法は簡単に分けて3つ。防水スプレーとクリームのどちらかだけを使う方法と、どちらも使う方法です。(1)汚れとり→防水スプレーのみ
まずは、汚れとりのためにブラッシングを行います。強すぎず、でもしっかりと丁寧に革の表面についたホコリを払っていきます。(ヌメ革部分はもちろん、デニム調部分についたホコリや軽い汚れもブラッシングで取り除くことができます。) 続いて、防水スプレーを吹きかけます。十分に換気されている場所で行うのがおすすめです。 吹きかける前に、ヌメ革部分が乾いていることを確認して、ヌメ革以外の箇所にスプレーがかからないようにマスキングしてください。(もし他の部分にかかってしまっても、すぐにブラシで払ったり布で拭いたりしていただくと落とせます。) スプレー缶をよく振り、20cmほど離れたところから、手を動かしながら全体的にムラなく吹きかけます。(※はじめに一度目立たないところで試し、乾いたときにシミにならないか確認していただくと安心です。) 革の表面がしっとりと濡れる程度が目安です。「革をこんなに濡らして大丈夫?」と心配される方もいらっしゃるかと思いますが、乾けばもとの色に戻りますのでご安心ください。 吹きかけた部分が乾いた後に、もう一度吹きかけて、終了です! スプレーをした部分は、乾くと撥水効果を発揮します。こちらの写真のように、革の上に水がかかっても、水滴が玉のようになって滑ります。スプレーをしてから30分もあれば十分に乾いた状態となり、ご安心かと思います。 防水スプレーのなかには、革の保護や栄養補給を同時にできるものもあるため、商品をお探しの際にはご参考にしていただければと思います。(2)汚れとり→クリーム(保湿)→防水スプレー
ブラッシングをした後に、クリームを塗っていきます。(※はじめに一度目立たないところで試し、乾いたときにシミにならないか確認していただくと安心です。) 柔らかい布を指に巻きつけて、クリームを少しすくい、小さな円から徐々に大きな円を描くようにクリームを広げながら、塗り込んでいきます。傷がない部分はなでるくらいに、目立つ傷には少しだけ強めに塗り込みましょう。塗りすぎた場合は、すぐに布やブラシで拭きとれば問題ありません。 クリームを塗った後に、防水スプレーを吹きかけて、終了です!(3)汚れとり→クリームのみ(保湿/保湿+撥水)
革用のクリームには大きく分けて2種類あります。潤いと柔らかさを与える保湿のためのクリームと、保湿や栄養補給に加えて撥水効果が得られるクリームです。 撥水効果のない保湿クリームをお使いになる場合は、(2)でご紹介した方法で、定期的に防水スプレーと併用していただくとより効果的かと思います。 ここでは、栄養補給とともに撥水・防汚効果があるクリームを使ってみました。 まずは、クリームを出す前によく振ります。布にクリームをのせて少しなじませ、指先に巻きつけて、革に塗り込んでいきます。こちらのクリームは水溶性のため、塗り込むと一瞬水に濡れたようになりますが、乾くと色が戻るのでご安心ください。なお、クリームによっては、お手入れ後にヌメ革の色が少しだけ濃くなる場合があります。 こちらのクリームも防水スプレーと同様に、乾くと撥水効果を発揮します。一雨に一回が目安の防水スプレーよりも効果が長持ちするのが特長です。実際には塗ってから数分経つと乾いて撥水しますが、十分な乾燥時間としての目安は48時間ともいわれているため、余裕を持って、小学校がお休みの日に塗るようにすると良いかもしれません。 それでは、お手入れ前とお手入れ後の写真を比べてみます! こちらがお手入れ前です。こすり傷がいくつか見える状態です。 こちらがお手入れ後です。右半分にはクリームと防水スプレー、左半分にはプロテクションクリームを使用しました。どちら側でも、時間が経つとはじめの傷が浮かび上がってくる可能性がありますが、お手入れ前と比べて革が潤い、なめらかな表面になりました。(撮影時の光の加減でヌメ革部分の色の濃さが異なっているように見えますが、実際は色の濃さはほとんど変わっていません。) お手入れのポイントは、「量より回数」。一度にしっかり行うというよりは、こまめに少しずつ行うのがおすすめです。例えば、「2ヶ月に1回よりは1ヶ月に1回、1ヶ月に1回よりは2週間に1回お手入れできると良いかな」という感覚です。 意気込みすぎず、お時間のあるときに気軽に革の表情を楽しみながら行っていただければ幸いです。今回使用したお手入れグッズは下記の通りです。各商品の詳細につきましては、下記それぞれのページをご参照くださいませ。(鞄工房山本各店舗、もしくは香久山鞄店のWebサイトにてご購入いただけます。) ・ドイツ製馬毛ブラシ col-07062 ・ドイツ製馬毛ブラシ・ミニ col-07063 ・ヌメ革用クリーム col-02910 ・革のお手入れクリーム Brillo(ブリオ)col-02921 ・ユニタス・レザーケアキット UNI_LM50 ・革のプロが選んだ防水・防汚・保革スプレー180ml col-01416