こんにちは。奈良本店の奥田です。
雪がちらつくこの季節、皆さん、雨にも負けず、「風邪」にも負けず、元気にお過ごしでしょうか。
今回は、厳しい寒さを吹き飛ばすほど元気いっぱいな橿原市立畝傍(うねび)東小学校にて、昨年に続き「『ランドセルができるまで』の出張授業」を行いました!
自分色に染まったランドセル
小学校に足を踏み入れたのは何年ぶりでしょう。下駄箱にズラッと並ぶたくさんの靴、小さな机と椅子がギュッと詰まった教室。朝早い時間でしたが、廊下を通るとふんわり懐かしい給食の匂いが……。懐かしい小学生時代を思い出して、胸の奥がじんわりとあたたかくなりました。
廊下をぬけて、授業をする教室に入った瞬間、なんとびっくり!
こちら、出張授業を受ける3年生が愛用してくれている鞄工房山本のランドセルなんです! 全部で20個も。先生方のお心遣いで、ランドセルを並べてくださったのだとか。これには、スタッフ全員思わず駆け寄ってしまいました。
使い込まれたランドセルを見た先生役のスタッフは、「つくりたてのランドセルばかり見慣れているけど、大事に使ってもらって、味わい深い色に変わっていて、いいなぁ……」と感慨深げにランドセルを撫でていました。
キーンコーンカーンコーン!
嬉しさに浸りつつ授業の準備完了! いよいよ始まるぞ、という緊張感と共に、いざ、授業スタート!
まずはどのようにランドセルをつくっているのか、「ランドセルができるまで」の動画を見ていただきました。見慣れない大きなミシンや、大きな音、変わった革のパーツなどが揃う工房の風景に、皆さん背筋をピーンと伸ばしたまま釘付け状態。
動画の後はさっそく皆さんにクイズです。「ランドセルは何からできているか知ってる人ー!」
その瞬間「ハーイ!ハーイ!」と元気いっぱい手が挙がりました。学校では事前に『きみの家にも牛がいる』という絵本を教材にして予習済みだった皆さん。そのため、ランドセルが「牛」の革からできていることを、ちゃんと覚えてくれていました。皆さん花丸大正解です。
「これはどこのパーツをとるための型でしょうか?」次はちょっと難しいクイズです。「背負うベルトの部分だ!」「いやいや、ランドセルの底と横の部分だよ!」皆さん、悩みながらも勇気を持ってたくさん手を挙げてくれました。
ちなみに正解は、「ランドセルの底とサイドの部分(大マチ)」です! 難しいながらも、鋭い観察力で見事正解してくれました。お子さまは目をまん丸に開き、先生方も一緒に「そうなんだ……」と小さく頷いてくださる姿にスタッフも自然と笑みがこぼれました。これだけ楽しんで参加していただけるとスタッフも授業のしがいがあります!
そして、今回のメインのお話へと続きます。
牛の命がよみがえる
「当たり前のように晩御飯に出てくるお肉も、農家さんが美味しくなるように育てて加工してくれたおかげでスーパーに並ぶことができます。そして、そのお肉を取った後に残った革を私たちが革製品のランドセルとして使っているんです。」
私たちの暮らしの中にあるものは、どこかの誰かが作ってくれたものであること、そして大切な命を無駄にしてはいけないという話に、子どもたちの顔も心なしか引き締まって見えました。
「私たちは、タンナーという革を加工する人たちがいるおかげでランドセルを作ることができます。タンナーさんは時には何ヶ月もかけて、牛や馬の革をランドセル用に加工してくれます。他にも金具屋さんや生地屋さんやいろいろな人たちの力が合わさってランドセルが出来上がります。」
「牛のお肉を食べた後にその革を捨ててしまったら、牛の命はそれまでですが、ランドセルにしてみんなに使ってもらうことで、牛の命をよみがえらせることができます。そんなランドセルをこれからも大事に使ってくれれば嬉しいです。」
社長の山本の言葉に、児童の皆さんも先生たちも大きく頷いてくださいました。
ショールームと工房に来ていただくだけでは、このようなお話をお子さまにゆっくりお伝する機会がないので、私たちも大変貴重な体験をさせていただきました。
お待ちかねの質問タイム
お話を聞いた後は、質問タイムです。「糸の色は何種類あるの?」「ランドセルを1個作るのにどれくらいの時間がかかるの?」「なんで白黒の牛から色んな色ができてるの?」などなど……。たくさんの質問をいただきました。
実際に革を触ってみよう!
最後は自由に革やランドセルのパーツを触っていただく自由時間です。
「この型に合う印はどこだろう」「わぁー!背中の部分ふかふか!」スタッフとの距離が近くなったこともあり、さきほどよりもたくさんの質問や感想を身近に聞くことができました。
中には「どんな匂いがするんだろう!」」と革を嗅ぐお子さままで! 見て、触って、嗅いで、確かめて。この授業をきっかけに身の回りで当たり前にあるものにも、たくさんの人たちが関わっていることを意識してくれるようになったらと嬉しいですね。
優しさあふれる小学校
なんと、自由時間の後、社長の山本に優しく肩もみをしてくれる3年生の姿が! 小学生とは思えないほどの強~い力と温か~い心遣いにスタッフもびっくり!
畝傍東小学校の皆さんの優しさはこれだけではありません。動画を見る時にはカーテンを閉めるのを進んで手伝ってくださったり、最後にはスタッフの方まで走ってきて笑顔いっぱいでお礼を伝えてくださったり。先生方は私たちのために3年生のランドセルを並べてくださいました。
私たちも接客の際には、「どうしたらお客さまに喜んでいただけるだろう」ということをもっと意識しなければいけないなぁ、と改めて勉強をさせていただきました。
短い時間でも私たちをクラスの一員のように優しく迎えてくださった畝傍東小学校の皆さん。貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました!
ぜひ工房やショールームにも遊びに来てくださいね!スタッフ一同、楽しみにお待ちしております。