鞄工房山本から車で約15分ほどの場所にある「久米寺」。
シトシトと雨の音が心地よく響き渡る、梅雨。
そんな季節にぴったり!
境内に咲くあじさいが一般公開されていると聞いて、さっそく行ってきました。
眼病に効くお寺
「久米仙人伝説」も有名なお寺ですが、もともとは聖徳太子の弟である「来目皇子(くめのみこ)」が初めて建てたといわれています。
本尊の薬師如来は眼病に効くと伝えられているお寺。
聖徳太子の弟である「来目皇子(くめのみこ)」が幼い頃、目の病気を患ってしまい両目を失明してしまいます。
それを心配した聖徳太子のお告げにより、来目皇子は薬師如来にお祈りをしたそう。
するとなんということでしょう。
たちまちに両目が治ったのです。
これにより皇子は、自らを「来目皇子」と名付けたそうです。
目の病気を治してくださったお礼の気持ちを込めて建てられたのがこの「久米寺」だそうです。
久米寺のユニークな言い伝え
先ほどお話しした中にチョロッと登場した「久米仙人伝説」も紹介いたします。
このお寺に住んでいたといわれている、空を飛べる神通力を持ち合わせた「久米仙人」。
いつものように空を飛んでいたある日、川で洗濯をしている美しい女性を発見。
その女性のふくらはぎに目が釘付けになってしまい、神通力を失い真っ逆さまに落ちてしまったという、お茶目なお話です。
このように雲の上のような人でも、ぬけているところがあると思わずフフッとなってしまいますね。
そのお話にまつわる可愛らしい絵馬も飾られていました。
趣のある境内を彩る花々
本堂の横をぬけるとあじさい園の入り口があります。
入館料を払うと、
参拝記念にあじさいおしぼりをいただきました。
入園券も記念にとっておきたくなる手書きのようなあたたかみのあるデザインですね。
広々としたあじさい園には約3500株、40種類のあじさいが雨を得て艶やかに生き生きと輝いていました。
まるで迷路のように広がった道には紫や青、ピンクに淡いクリーム色など色とりどりなあじさいが押し寄せんばかりに咲いています。
じめじめとした気分を吹き飛ばしてくれるほどの鮮やかな花々に思わずシャッターを切る手が止まりませんでした。
こちらは江戸時代に京都の仁和寺から移築され、重要文化財にも指定されている多宝塔。
多宝塔に寄り添うようにギュっと集まった花々。
バックの梅雨空が一層に深い色を引き立ててくれます。
あじさいは土の酸性度によって花の色が変わり、「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」になると言われているそうです。
同じ株でも部分によって花の色が違うものもありますが、それは根から送られてくるアルミニウムの量に差ができるためだそう。
そのおかげでこのような綺麗なグラデーションが成り立っているのですね。
なんとも神秘的なお花ですね。
願いをお皿に込めて
久米仙人の像が建てられている真下をのぞき込むと、
箱に入った薄焼きのお皿に願いを吹き込み、割ることによって奉納する「かわらけ祈願」というものだそうです。
さっそく私も一切福の石の上で
よいしょ
えい
綺麗に割れました。
お願い事、叶うといいですね。
風情のあるあじさいを見られるのはこの季節の醍醐味です。
あじさいの花言葉は「家族の結びつき」
ぜひお時間がございましたら、ご家族で色とりどりの花にしっとり浸ってみるのはいかがでしょうか。
【久米寺】
住所:奈良県橿原市久米町502
TEL:0744-27-2470
拝観:8:00~17:00
拝観料:境内は無料、アジサイ園は大人400円、子ども200円
交通アクセスなど、詳しくは【
Webサイト】をご覧くださいませ。