こんにちは。奈良本店の奥田です。
天気予報では、今年は蒸し暑い残暑が10月頃まで続くと予想され、まだまだ夏らしい日差しが降り注ぐようです。
お出かけの際は帽子や水分補給など、気を緩めず、万全の対策を心がけてくださいね。
暑さが残ればなかなか気分が上がらない方もいらっしゃるかもしれませんが、青く澄み渡る空とくっきりと形作られた雲のコントラストなど、夏らしい風景はまだまだ楽しめそうですよ。そんな景色を背景にぜひご覧いただきたい、雄大で美しいスポットをご紹介いたします。
自然豊かな日本の風景
鞄工房山本から車で10分ほどの場所にある「本薬師寺跡」。国の特別史跡に指定されており、その周辺は「ホテイアオイ」の花畑で彩られています。
この日は、台風が去った後ということもあり、空を厚く覆った雲の間からは強い日差しが差し込み、降り続いた雨粒が花畑を飾り、キラキラと反射していました。
のどかな田園風景や、たくましくそびえたつ山。爽やかな色合いでふんだんに咲き誇るホテイアオイ。
まさに日本の美を象徴するかのような風景に思わず笑みがこぼれます。
株の植え付けには、「橿原市立畝傍北小学校」の2年生の生徒さん(平成30年)が協力してくださったそう。
こんなにたくさんの感動を与えてくださった生徒さん達に感謝ですね……。
本薬師寺跡とは
「本薬師寺跡」とは、現在、奈良市の西の京にある「薬師寺」の昔の形にあたるお寺です。
天武天皇が、皇后(後の持統天皇)の病気が治るよう祈願して、天武9年(680年)に薬師如来を本尊とする寺の建立に着手しました。完成しないうちに天武天皇が亡くなってしまったので、持統天皇自らがその遺志を継いで完成させたそう。
当時は、2つの塔がありましたが、養老2年(718年)に伽藍ともども奈良の西の京へ移築されたと言われています。(別々に造られたという説が有力だそう。)それ以来、このお寺は「本薬師寺」と呼ばれるようになりました。
現在は、礎石と小堂しか残っていませんが、地元の人からも愛され、この自然豊かな美しい景色を見るために多くの方々が訪れているようです。
まるで空に浮かぶ花畑
この日は、前日の雨の影響で葉の上には雫がキラキラと滑り、明るい日の光に透けて生き生きと輝く花々が見れました。
同じ種類でもギュッと集まって咲いている場所や、ポツポツと個々で咲いている場所など、それぞれ見方によって表情が異なるため、何時間眺めてても飽きない場所です。
水面に青空が映り込み、まるで空にホテイアオイが咲き誇っているよう。
私たちが訪れたのは平日の午前中でしたが、日中の日差しにも負けず、花畑の撮影に夢中になっている方々が多くいらっしゃいました。
花々に見とれていると、通りがかったカメラマンの方が「雨粒と一緒に撮れるホテイアオイは貴重だよ。」「透き通るような白色から涼しげな紫色に変化するのも綺麗だよね。」と感動をかみしめながら教えてくださいました。
通りがかる他の方々もとても優しい方ばかりで、笑顔で挨拶をしてくださったり、暑さを気にかけて声をかけてくださったり。
たまたますれ違った知らない人でも、一緒に感動を分かち合いたくなり、自然とコミュニケーションが発生するなんてとても素敵な場所だなぁと、心が温かくなりました。
ホテイアオイとは
ホテイアオイは茎の根本部分が膨らみ、浮き袋の役目を果たしているため、水中に葉全体が沈みません。
その姿が七福神の一人「布袋様(ほていさま)」のお腹に見えることから、「ホテイアオイ」という名前がついたそう。
別名「ウォーターヒヤシンス」とも呼ばれています。なんとも涼しげな美しい名前ですね。
日当たりの良い環境で水を切らさなければ、ほとんど枯れることはない非常に丈夫な水草です。つぼみが朝の日ざしにより花開き、夜になるとしぼみ、翌朝にまた新しい蕾が開きます。特に強い日差しが大好きなようで、まさに夏にはぴったりなお花ですね。
ピンクと紫のコラボレーション
この季節はホテイアオイだけでなく、蓮の花も見ることができました。
蓮の花のピンク色と、ホテイアオイの紫色は、お互いを引き立て合う美しい色合いですね。
私たちが訪れた時は、花びらが散ってしまっているものも多かったのですが、蓮の葉の間からちらりと覗く愛らしいホテイアオイも見ることができました。
こんな可愛い親子にも会うことができました。一生懸命、くちばしを水にくぐらせている姿に心がほっこりしました。ホテイアオイのようにたくましく育っていけると良いですね。
ホテイアオイは8月下旬に見頃を迎え、9月下旬にかけて本薬師寺跡周辺で咲き誇っています。
午前7時以前はまだ開花しておらず、蕾の状態だそうなのでご注意ください。
畝傍山を背景に日本の夏を彩る花畑。
ぜひお時間がございましたら、ホテイアオイの美しさにを癒されてみるのははいかがでしょうか。
本薬師寺跡
〒634-0033
奈良県橿原市城殿町
交通アクセスなど、詳しくは
Webサイトをご覧くださいませ。