こんにちは。銀座店染矢です。
すっかり肌寒くなり、秋の訪れを感じます。もう間もなく、2019年へのカウントダウンが始まるのでしょう。
私の大好きな夏が終わり、寂しい気持ちになります……。そんな夏を惜しむ気持ちで、夏の風物詩の一つでもある「金魚」を鑑賞できるイベントに行ってきました!
現在、日本橋三井ホールで開催されています「
ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム2018」。
実は、金魚は鞄工房山本の本店がある奈良県とも関連深い魚です。奈良県大和郡山市は金魚の養殖が有名で「金魚の街」と言われ、街中に金魚のモチーフが多く存在します。会場となる日本橋三井ホールは、最寄り駅が三越前駅。銀座駅から3駅と鞄工房山本銀座店からもとてもアクセスが良いので、銀座店にお越しいただいた際ご家族でお立ち寄りいただけるイベントとしてご紹介させていただきます。
金魚が生み出す芸術
毎年この時期になると日本橋三井ホールで開催されている「ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム」。「アートアクアリウム」は2007年から始まったイベントで今年で12年目をを迎えます。年によって東京以外に京都や大阪、博多などでも開催され、現在までの累計有料入場者数は835万人!今回は、展示史上最大級の約8,000匹の金魚が展示されています。
そして、年ごとにテーマや展示作品が異なるため毎年大好評!ちなみに、昨年のテーマは「龍宮城」。まるで竜宮城を再現したような作品でした。今年の日本橋会場のコンセプトは「真の日本」。金魚や綿鯉などを中心とした多くの魚が幻想的な空間を作り出していました。
入場し、一番最初に目にし驚いた作品「天井金魚」。天井金魚は今年初登場の作品です。言葉どおり、美しい照明の演出とともに優雅に金魚が頭上を泳いでおり、まさに芸術でした。また江戸をモチーフとした飾りもあり、入場してすぐに幻想的な世界へ引き込まれました。
日本文化×金魚
金魚のルーツは中国のフナの1種。本来のフナの色ではなく突然変異で生まれた赤色のフナ、それが現在の金魚のはじまりといわれているそうです。
金魚は人の手によって、様々な形に姿を変えてきた歴史を持ち“観賞魚”とし育てられてきました。日本に金魚がやってきたのは室町時代。当時は城主や大名しか見ることのできない贅沢品でした。
ここで私は、奈良県大和郡山市と金魚のつながりに気づきました。奈良大和郡山市には豊臣秀吉の弟・秀長が居城した郡山城が存在していました。そのためお城のある地に当時高級とされていた金魚を飼っていたため、当時の文化が受け継がれ古くから金魚との関わり深かかったんですね。
江戸時代には武士や豪商が屋敷の池で飼うようになり、花街を彩る「華」としてもてはやされ、暑い夏には「涼」として飾られた金魚は夏の風物詩になっていきました。
のちに庶民の手にも入るようになり、現代まで日本独自の「金魚文化」が発展したそうです。
このように長い歴史をもち強い力で生き延びた金魚は、現代まで様々な変化を繰り返しながら、華麗に美しく輝き私たちを楽しませてくれます。
「涼」を味わう空間
天井金魚をすぎ、中に進むと15もの作品が展示されていました。思わず「お~」と声にしてしまうほど綺麗で美しい作品。そして、より金魚を主役にさせる照明と水槽の演出は見る人の心を掴み、どの作品も見どころばかりです。そして、真っ暗な空間で水の中をゆったりと優雅に泳ぐ金魚を見ていると夏の暑さを忘れ、涼しい気持ちになります。
お祭などでよく目にする金魚から、普段はなかなか見かけることのない珍しい金魚が多く展示されていました。大きいものから小さいもの、赤色や黒色、目やエラに特徴をもつ珍しい金魚が多く子どもから大人まで釘付けになりながら見ていました。ときに子ども達の歓声が聞こえ、「ホッ」とした気持ちになりながら鑑賞しました。
私のオススメ
今回アートアクアリウムで一番感動した作品が、屏風をモチーフにした「大政奉還金魚大屏風」(たいせいほうかんきんぎょだいびょうぶ)。この作品を見たとき今回の会場コンセプトでもある「真の日本」が表現された作品だと思いました。日本の歴史を辿ると必ず目にする屏風。昔は様々な屏風絵が描かれてきましたが、屏風を水槽に見立てるという発想にとてもユーモアを感じました。
日本の伝統文化と現代の「技術」が融合されており、一度入場すると時間を忘れ夢中になります。
日本橋会場は、9月24日(月・祝)まで日本橋三井ホールにて開催されています。銀座店にお立ち寄りの際はぜひ足を運んでみてください。
また、日本橋会場以外に愛知・名古屋や中国・上海でも開催されております。今年はすでに名古屋会場は閉会されていますが、上海会場は、10月26日(金)~2月17日(日)の日程で開催されます!各会場ごとにテーマが異なるため、違った作品が見ることができます!子どもから大人までご家族で楽しめますので、「平成最後の夏」の良い思い出にいかがでしょうか。