ランドセルの選び方を徹底解説!失敗談を交えて10個のポイントを紹介!

ランドセルのショールーム(横浜店)

ランドセルは、お子さまが6年間毎日使う大切なもの。だからこそ、デザインやカラーだけでなく、背負いやすさや耐久性、サポート体制も考慮して選ぶことが大切です。
「どのタイミングで選べばいい?」「どんなポイントを重視すべき?」そんな疑問をお持ちのご家族さまへ、ランドセル選びで失敗しないためのポイントや心構え、選び方のコツを詳しくご紹介します。お子さまと一緒に、納得のいくランドセル選びを進めるための参考にしてみてくださいね。

ランドセル選びの失敗談

失敗してしまったから選び直そう!と、安易にはすることのできないランドセル選び。お子さまと一緒に選んだランドセルで、晴れやかな入学式と、そして卒業の日を迎えたいですよね。お客さまから実際におききした、2つの後悔のお声を紹介します。

欲しかったランドセルが完売!

「せっかくお気に入りのランドセルを見つけたのに、気づいたら完売していた…!」そんな経験をされた方は意外と少なくありません。二十年ほど前までは、入学の3ヶ月前でも間に合っていたランドセル選び(筆者の親談)。今では「ラン活(ランドセル活動)」がすっかり浸透し、年中さんのうちから情報収集を始めるご家庭も増えてきました。
一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会が調査したところ、年長さんになったばかりの4月には、すでに過半数のご家庭がラン活を始めている*ということがわかりました。

※出典: ランドセル購入に関する調査 2024年 – ランドセル工業会

最近では早割やネームプレートへの刻印サービスなど、さまざまなランドセルメーカーで早期特典が充実しています。買いそびれを防ぐためにも、実際に購入したい時期よりも3~4ヶ月前からリサーチを始めておくのがオススメ!
「ラン活っていつから始めるの?」と迷っている方は、こちらのラン活時期の解説コラムもご参考にしてみてくださいね。

子どもの希望を聞かずに決めてしまった…

お子さまのためを思っての選択が、かえって悲しい思い出となってしまう落とし穴も。
昨年店頭に立っていると、もうすぐ年長さんになるお子さまと親御さま、小学校中学年のお姉さまがご来店してくださいました。人気カラーのラベンダー色のランドセルをとても気に入ってくださり、親御さまも「いいね!〇〇ちゃんが好きならこれにしよう!」と盛り上がっていたところ、お姉さまが一言。「私のときはダメって言ったのに…。」
お話を伺ってみると、お姉さまも以前ラベンダーのランドセルを希望していたものの、ご両親が無難な色に誘導されたとのこと。それがずっと心残りだったようでした。思いがけず、ランドセルを使用されているお子さまの本音を耳にした瞬間でした。
ランドセルは、お子さまにとって毎日背負う大切なもの。ご家族の意見を参考にしつつも、お子さま自身の「これがいい!」という気持ちを尊重することが、納得のいくランドセル選びに繋がるのではないでしょうか。

ランドセル選びの基本ポイントとは?

家族でランドセルを選ぶ様子

お子さまにとってお気に入りであることはもちろん、機能やサポート面も考慮することが大切です。6年間の相棒を選び抜くための欠かせないポイントをまとめてご紹介します。

  • 予算設定
    • ランドセルの相場と価格帯の特徴を知る
  • デザインの選び方
    • 子どもと保護者の意見のバランスを考える
  • 軽さの体感
    • 重量だけでなく、背負ったときに軽く感じるかどうかが重要!
  • 耐久性のチェック
    • 芯材の強さや、雨の日対策も忘れずに
  • フィット感の大切さ
    • 同じグラム数でも、背負いやすさ・軽く感じるかどうかは異なる
  • サイズと容量の考慮
    • お子さまが通う小学校で必要な収納量はどれくらい?
  • アフターサポートの確認
    • 修理保証の期間や、無償修理の範囲も気になるポイント!

ランドセルは6年間使うものだからこそ、見た目だけでなく、使いやすさやサポート体制もしっかりと確認して選びましょう。記事の後半では、上記のポイントをひとつずつ詳しく解説していきます。

失敗しないための3つの心構え

長年お子さまや親御さまとお話しを重ねてきたわたしたちが提案するのは、3つの大切な心構えです。

メリットデメリット
焦らない完売を防ぎ、じっくりと比較できる遅すぎると希望のモデルがなくなってしまう
長期的な視点で選ぶ6年間安心して使える子どもの意見が聞き逃されやすい
子どもと相談するお子さまの満足度が高くなり、楽しい思い出となる家族内で意見がわかれたら、バランスを取る必要がある

焦って選んでしまうと、「もっと他のランドセルを見ておけばよかった…」と後悔することも。なるべく早めに情報収集を始め、じっくりと選ぶ時間を確保しましょう。また、成長を見越したサイズや耐久性も重要。今の好みに加え、「6年後も使いやすいか?」という視点も大切です。なによりも、お子さまと相談しながら決めることが、納得のいくランドセル選びにつながります。「自分で選んだ!」という経験が、6年をともにする大切な相棒への愛着に繋がるでしょう。

子どもと一緒に選ぶポイント

ランドセル選びは、親子の楽しい思い出にもなる大切な時間。店舗や展示会での試着ステップを確認しながら、お子さまにぴったりの一品を見つけましょう。

  1. 気になるカラーやデザインを見つける
    1. お子さまが「いいな!」と感じるモデルをピックアップ。錠前の開けやすさや、内装のデザインもチェックしましょう。
  2. 実際に背負ってみる
    1. 鏡の前で背負い、肩や背中へのフィット感を確認。歩いたり、しゃがんだりして、動きやすさをチェックするのも大切です。スタッフに肩ベルトの長さを調整してもらうことで、より快適に背負うことができます。
  3. 背負い心地を聞く&反応を見る
    1. 「重い?」と聞くと先入観を与えてしまうかも。「どっちが楽?」「背負いやすい?」と比較することで、素直な意見を引き出しやすくなります。さらに、「自然な笑顔をしているか」「すぐに脱ぎたがらないか」などの表情や反応も保護者だからこそ気付けるポイントです。

ご家族さまでじっくり話し合いながら選ぶことで、お子さまの満足度が高まり、ランドセルへの愛着も深まります。

失敗しないランドセルの選びのポイント

一生に一度のランドセル選び。デザインやカラーはもちろん、機能性やサポート体制も考慮して選ぶことが大切です。ここでは、購入前に押さえておきたい10のポイントを詳しく解説。お子さまにぴったりのランドセルを見つけるため、ぜひご参考にしてみてくださいね。

1. 購入場所

近年は専門メーカーに限らず、さまざまな量販店や百貨店でもランドセルが取り扱われるようになりました。オンラインストア、さらにアウトレット品や中古品など、ランドセルを購入できる場所の選択肢は多岐に渡ります。

メリットデメリット
ランドセルメーカー直営店・品揃え豊富
・専門スタッフに相談できる
・保証が充実
・店舗数が限られる
百貨店・量販店・実物を確認できる
・複数ブランドの比較ができる
・取り扱いブランドが限られる
オンラインショップ・時間帯を問わず手軽に購入できる
・割引キャンペーンが多い
・フィッティングができない
・返品条件の確認が必要
アウトレット・中古品・価格が安い
・掘り出し物が見つかることも
・在庫が限られる
・保証がない場合も

どこで購入するかによって、価格やサービス、保証内容が大きく異なるため、それぞれの特徴を押さえておくことが大切です。

2. 思い出に残るか

ランドセル選びは、ただのお買い物ではなく、お子さまの成長を感じることのできる特別なイベント。「はじめての一生もの」として、ご家族の思い出に残るような購入体験を意識すると、より満足度の高い選び方ができます。

ランドセルづくりをみつめる少女。工房見学の様子

思い出に残る購入体験のアイデア

  • ランドセルづくりの工房見学
    • 職人の作業風景を間近で感じることで、ランドセルへの愛着やものを大切に使う心が芽生えるきっかけとなるかもしれません。
  • 家族みんなで試着&相談
    • 兄弟姉妹や祖父母も交えて、ワイワイ相談しながら選ぶことが楽しい思い出に。
  • お子さまに「選ぶ」体験を
    • 保護者だけで決めるのではなく、「どれにする?」とお子さま自身が選ぶことで、6年間の愛着が深まります。

ランドセルを選んだ日の記念写真を撮ったり、工房見学を思い出話にしたりすることで、ランドセルを見るたびに「このランドセルを選んだときのこと」を思い出せるような、素敵な瞬間を作ってみてくださいね。

3. 素材

ランドセルの素材は、大きく分けると「天然皮革」と「人工皮革」の2種類。それぞれの特徴を知ることで、ランドセル選びをスムーズに進めることができます!

  • 天然皮革(牛革)
    • 主に牛革やコードバン(馬のおしりの革)が使われています。昔は「重くて、ひび割れしやすい」イメージがありましたが、今では人工皮革との差は約100gほど。使うほどに革が馴染んで、背負い心地が増していきます。特にコードバンは「革のダイヤモンド」とも呼ばれ、圧倒的な強度と美しく滑らかな質感が魅力です。
  • 人工皮革
    • 最軽量、かつリーズナブルなのが最大のメリット!ただし、ランドセルのご使用後、いずれは加水分解が生じてしまいます。リメイクを検討している方は、忘れずに素材を確認するようにしましょう。

選び方のポイント

  • 価格を重視するなら人工皮革
  • 耐久性や品質を求めるなら牛革やコードバン
  • リメイクを考えるなら天然皮革が安心(人工皮革は経年劣化してしまうため)

6年間使うことを考えたうえで、お子さまにぴったりの素材を探してみましょう!

4. サイズ感

ランドセルのサイズとして、おおまかに「A4フラットファイル対応」と「A4クリアファイル対応」の2種類があります。

  • A4フラットファイル対応(近年の主流!)
    • A4サイズのプリントを、紙のファイルに挟んだまま収納することができます。最近はタブレット学習も進み、教材のサイズが大きくなっているため、基本的にはこちらがオススメです。
  • A4クリアファイル対応
    • 少しコンパクトな作りで、お身体が小さなお子さまに人気がある様子。ランドセルが大きすぎると歩きにくさを感じることもあるので、体格に合わせて選ぶのもオススメです。

お子さま一人ひとりにとってのベストなサイズ感を、ぜひ背負いくらべながら探してみてくださいね。

ランドセルの収納量イメージ

学年別の必要な収納量

6年もの期間通う小学校では、学年によって必要なアイテムが異なります。低学年のうちは荷物が少なくても、高学年になると教科書やタブレット端末が増えるため、容量にゆとりのあるランドセルを選ぶことが重要です。

低学年(1~2年生)

  • 教科書・ノート(少なめ)
  • 筆箱
  • 連絡袋
  • 給食袋や水筒

低学年のうちは比較的荷物が少ないですが、体格のちいさなお子さまも多いため、ランドセル本体の軽さも大切なポイント。大マチの収納力がしっかりあれば、荷物が増えたときにも安心です。

中学年(3~4年生)

  • 教科書・ノート(増加)
  • タブレット端末(学校による)
  • 習い事やクラブ活動の道具

タブレットが支給される学校も増えており、A4フラットファイル対応のサイズが便利です。肩ベルトのフィット感や背負いやすさも、荷物が増えてくるこの時期には特に重要となります。

高学年(5~6年生)

  • 教科書・ノート(大幅に増加)
  • タブレット端末(ほぼ必須)
  • 副教材(辞書・地図帳など)
  • 給食セット

小学校やクラスによっては、ランドセルに入りきらない荷物が出てくることも。サブバッグを併用するお子さまも少なくないようです。耐久性はもちろん、毎日使うことを考えた「体感荷重」の軽さや背負いやすさが欠かせません。今後の成長を見通して、余裕のある収納力と快適な背負い心地を兼ね備えたランドセルを選んでおくのが安心です!

5. 体感荷重

ランドセルの「軽さ」とは、本体の重量だけでは決まりません。実際に背負ったときに「どれだけ軽く感じるか」も重要です。鞄工房山本は体感荷重にも着目し、以下のポイントから背負いやすさにアプローチしています。

トルソーがランドセルを背負っている
  • 立ち上がり背カン
    • より理想的な姿勢を保つことをサポート。重心を高い位置で安定させ、長時間背負っていても疲労を感じにくい設計。
  • 肩ベルトの形状
    • ゆるやかなカーブが身体の構造に沿い、肩へのフィット感が向上。重さを分散させるとともに、チェストベルトがなくともずり落ちる心配がありません。
  • 背面クッションの厚み
    • 凹凸のある二層構造のクッションで、背中と腰への負担を軽減。

6. 安全性

小学校へ進学すると、目の届かないところで多くの時間を過ごすようになります。お家から小学校までの道のりを安全に送り出せるよう、ランドセルに安全機能が備わっているかどうかもしっかりと確認するようにしましょう。

  • 安全ナスカン
    • ランドセルの大マチ(側面)部分にある、紐などを通すためのナスカン金具。万が一のときに紐が引っかかってしまっても、金具の先端が外れることで事故を防ぎます。
  • 反射材
    • 見通しの悪い場所でも視認しやすいおかげで、夜道に限らず、雨の日のご通学時にも安心です。ランドセルカバーやシールで補うこともできます。
  • 防犯ブザーの取付金具
    • 肩ベルトのすぐに手が届く位置に取り付けておくと安心です。お子さまが左利きの場合は、使いやすいユニバーサル仕様かどうかを忘れずにチェックしておくと良いでしょう。

お子さまの通学路に合わせた安全機能を備えたランドセルを選びましょう。

7. 保証

ランドセルは6年間毎日使うものだからこそ、修理やアフターサービスが充実しているかどうかも重要なポイントです。

  • 6年間のアフターサポート
    • 6年に留まらず、卒業後のリメイクサービスがあることも。
  • 代替ランドセルの貸し出し
    • 修理中のカバンやリュックをご家庭で用意する必要がある場合も。
  • 無償修理の範囲
    • 故意の破損や経年劣化が対象外になることも。
  • 有償修理サービス
    • 無償保証外の修理にも対応している?

購入前に公式サイトや店舗で詳細をチェックし、お子さまが6年間安心して使えるランドセルを選びましょう。

8. カラー

ランドセルのカラーは、今や多種多様。定番の黒や赤だけでなく、パステルカラーやアースカラーなど、お子さまの好みに合わせて選ぶことができます。

女の子に人気のカラー

最近の人気カラーは、ラベンダー(紫系)やミントブルー(水色系)、淡いピンクなど、パッと気持ちも晴れやかになるような明るい色合い。ベージュやブラウン系の落ち着いたカラーも、保護者さまから根強く支持されています。

トゥインクルハート(アイスブルー)の商品イメージ

トゥインクル・ハート(1,380g前後)
8色展開(画像はアイスブルー色)

ユニ(ミルクティー)の商品イメージ

ユニ(1,360g前後)
9色展開(画像はミルクティー色)

男の子に人気のカラー

本体色(革色)では黒色が過半数を占めるほどの人気カラー!汚れが目立ちにくいこともその人気を支えています。ネイビーやモスグリーンなどのシックな色味に加え、爽やかなブルーやパープルも近年人気を伸ばしています。

香久山(ブラック)の商品イメージ

香久山(1,380g前後)
5色展開(画像は黒色)

リベルタ(デニムブルー)の商品イメージ

リベルタ(1,380g前後)
3色展開(画像はデニムブルー色)

9. デザイン

デザインの好みはお子さまによってさまざま。カラーはもちろん、ステッチや内装、ファスナーの引きてまで、細部にこだわったデザインが増えています。
お子さまの好みに合わせつつ、6年間飽きずに使えるデザインを選ぶのがポイントです。

女の子に人気のデザイン

花やハートなどの可愛らしいデザインが定番。また、シンプルながら上品なステッチのランドセルも人気があります。

プリンセスラフィーネ(ラベンダー)の商品イメージ

プリンセス・ラフィーネ(1,380g前後)
8色展開(画像はラベンダー色)

香久山(オフホワイト)の商品イメージ

香久山(1,380g前後)
5色展開(画像はオフホワイト色)

男の子に人気のデザイン

黒を基調にしたラインデザインや、シンプルながらも個性が光るデザインが人気を集めています。

レイブラック(黒×ブルー)の商品イメージ

レイブラック(1,380g前後)
6色展開(画像は黒×ブルー色)

ブラウニー(紺)の商品イメージ

ブラウニー(1,380g前後)
3色展開(画像は紺色)

10. 予算

ランドセルの価格には、素材、機能性、アフターサービスの充実度 などが影響します。購入時には、「6年間しっかり使えるか?」 を基準に選びましょう。
ランドセルの価格は5万円~8万円が相場ですが、素材や機能、デザインによって価格帯が異なります。

  • 5万円未満
    • 比較的リーズナブルな価格帯で、人工皮革を使用。
  • 5万~7万円
    • 人気の価格帯。一部牛革ラインナップも加わり、機能面も充実。
  • 7万~9万円
    • デザイン性・機能性の高いこだわりのモデルが並び、他にはない個性を探す方にもぴったり。
  • 9万円以上
    • 百貨店限定モデルや、高級素材(コードバンなど)が使用される価格帯。

早期購入特典やアウトレット品を活用することで、お得に購入できる場合もあります。予算と品質のバランスを考えながら、お子さまにぴったりのランドセルを見つけてくださいね。

まとめ

2人の職人がランドセルを覗き込んでいる

ランドセル選びは、お子さまとご家族さまにとって一度限りの経験。デザインやカラーだけでなく、フィット感や耐久性、アフターサポートなど、長く安心して使えるポイントをしっかりと確認することが重要です。焦らずじっくり比較し、親子での話し合いを重ねることが後悔のないランドセル選びに繋がります。お子さま自身が納得して選んだランドセルは、きっと6年間の通学の心強い相棒になってくれることでしょう。
ご家族皆さまで楽しみながら、お子さまにぴったりのランドセルを見つけてくださいね!

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