ランドセルは小学校の6年間、毎日を共にする大切な相棒ともいえます。しかし、6年間もの間使い続けるとどのような経年変化が起こるのでしょうか?
本記事では、ランドセルの素材ごとに6年後の状態を比較し、それぞれの特性やメンテナンス方法について詳しく解説します。これまでランドセルの鞄工房山本が約70年積み重ねてきた歴史から、ランドセルを美しく長持ちさせるお手入れのポイントや、6年後も丈夫できれいなランドセルのおすすめをご紹介するので、ぜひランドセル選びの参考にしてくださいね!
ランドセルの6年後の状態を徹底比較
ランドセルは6年間、ほぼ毎日使われるため、どのようなランドセルでも多少の劣化は避けられません。しかし、適切なケアを行えば、美しい状態を保つことが可能です。ランドセルは主に人工皮革・牛革・コードバン(馬の臀部の革)でつくられ、現在はほとんどの素材で6年間使用できるクオリティになっています。しかし、経年変化の仕方は素材によっても異なるので、素材別に6年後の状態やメンテナンス方法について詳しく見ていきます。
人工皮革製の魅力と6年後の状態
ランドセルで使われる人工皮革は一昔前は、強度が心配でしたが、今ではどれも6年間しっかりつかい続けられる耐久性を備えたクオリティになっています。また、人工皮革は天然皮革に比べて軽い、価格が手頃、カラーバリエーションが豊富というメリットがありますが、一方で天然皮革よりも耐久性に劣ったり、風合いでは天然皮革のほうが高級感がでるというデメリットもあります。
実は6種類ほどもあるランドセルに使われる人工皮革のそれぞれの特徴、メリットを見ていきましょう!
素材名 | 特徴 | メリット |
クラリーノ | ・ランドセルでの採用率70%の圧倒的実績。 ・6種類の生地の展開で、風合い・軽さ・耐傷性にそれぞれ特性がある。 | ・軽い ・丈夫 ・水に強く、お手入れが簡単 |
ベルバイオ、ベルバイオ5 | ・本革のようなしっかりとした質感がある。 | ・傷がつきにくい ・防水性が高い |
コードレ | ・ランドセルのほかシューズ、雑貨、衣料、スポーツ用品など幅広く使用されている。 | ・軽い、丈夫、お手入れが簡単 ・通気性がいい ・クラリーノより擦れに強い |
タフガード | ・4種類の生地展開で、擦れや破れに強い生地もある。 ・スポーツ用品や衣類などにも使われることもある。 | ・軽い、丈夫、傷がつきにくい ・メタリック加工やパール加工ができ、本革・他の人工皮革にはない表情になる。 |
アンジュエール | ・セイバンと素材メーカーが開発したオリジナル素材。 | ・軽い ・傷がつきにくい ・水に強い ・人工皮革の中でも高い耐久性がある。 |
エクセーヌクラッセ、 エアヌール | ・超極細繊維がベースの美しいレザー調人工皮革。 | ・耐久性に優れている ・水に強い ・傷がつきにくい |
参考:https://xn--1-tfuvb3hma9bz739co5tb.com/erabu/artificial-leather/#clarinohttps://www.clarino.com/clarinoTown/about/feature
https://www.clarino.com/clarinoTown/about/kind
https://www.hakura-randsel.jp/column/909?srsltid=AfmBOoppyROLObVEKNAAJaxU6kQ3MeKlDDHr-DV6FJUd8bNPiolH0pw9
https://www.randoseru-otayori.com/tafuga-do.html#i5
https://www.seiban.co.jp/pages/service-design-angealie (最終閲覧日:全て2025年3月8日)
人工皮革製のランドセルの新品と6年後を比較
鞄工房山本の人工皮革のランドセルの新品と6年後を比較した写真がこちらです。

鞄工房山本では、長年天然皮革を扱ってきた熟練の職人が「軽くて、水に強くて、そして風合いも天然皮革に近いものを…と」選んだ人工皮革を使用しています。
そのため、基本的に特別なメンテナンスはいりません。濡れてしまったときでも、乾いた布で拭き取るだけでOKです。汚れが目立つ場合には、固く絞った布で水拭きしてください。
時間があるときは、ランドセルの中の荷物を出して、底板を外せる場合は外し、逆さにしてほこりなどを落とし、汚れがひどい場合には固く絞った布で拭きとります。そして、半日~1日程度日陰で乾燥させることで、中に湿気や汚れが溜まったままにするのを防ぐことができます。また、ランドセルカバーをつけている場合、定期的に外してあげるのもきれいに保つコツです。
天然皮革製の魅力と6年後の状態
天然皮革製のランドセルは、主に牛革とコードバンの2種類があります。どちらも高級感のある風合いと耐久性に優れる点が魅力です。
革は水に弱く、お手入れが大変そうというイメージもありますが、現在のランドセルに使われている天然皮革は、防水性が高く、水や汚れを弾くので、特別なお手入れがいらないものがほとんどです。
人工皮革に比べて革の繊維が詰まっている分重量は重くなりますが、その分耐傷性・耐久性に優れています。
天然皮革製(牛革)のランドセルの新品と6年後を比較
牛革のランドセルの新品と6年後を比較した写真がこちらです。

牛革のランドセルも、防水性が高い牛革を使用しているものは基本的に特別なメンテナンスはいりません。濡れてしまったときでも、乾いた布で拭き取るだけで問題ありません。汚れが目立つ場合には、固く絞った布で水拭きをしましょう。
時間があるときは、人工皮革のランドセルと同じく、ランドセルの中の荷物を出して乾かしたり、ランドセルカバーを外して、湿気や汚れが溜まったままにするのを防ぐことで、きれいに保つことができますよ。
コードバン製の耐久性と経年変化
馬のおしりの革からつくられるコードバンは「革のダイヤモンド」とも言われるほどの美しさと希少性、そして天然皮革の中でもトップクラスの強度が特徴です。
コードバン製のランドセルの新品と6年後を比較
コードバン製のランドセルの新品と6年後を比較した写真がこちらです。

コードバンのランドセルも、人工皮革・牛革と同じく、防水性が高い革を使用しているものは基本的に特別なメンテナンスはいりません。濡れてしまったときは乾いた布で拭き取り、汚れが目立つ場合には水拭きをしましょう。
時間があるときは、人工皮革・牛革と同じく、ランドセルの中の荷物を出す、ランドセルカバーを外すなどして、湿気や汚れが溜まったままにするのを防ぐことで、きれいに使い続けられますよ。
6年後も美しく保てるランドセルの選び方は?
ランドセルを6年間美しく保つためには、以下の3つのことを意識して選ぶことが大切です!
- それぞれの素材のメリット・デメリットをよく理解すること
上でご説明した素材の特性を元に、例えば活発な子なら耐久性の高い天然皮革製を選ぶことを選択肢にいれたり、小柄な子であれば軽さを重視して人工皮革製を選ぶなど、お子さまにあったランドセルを選んでくださいね。 - ランドセル自体のつくりがしっかりしているものを選ぶこと
素材自体は耐久性のあるものを使用していても、そもそものつくりがしっかりしていなければ、ランドセル自体の耐久性は決して高いとは言えません。ランドセルはなるべく軽いものを…とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、軽いということはそれだけ必要な部分をカットしている可能性もあります。品質を確かめるために、購入前にどこでどのようにランドセルがつくられているのか、確認してみてくださいね。 - 6年間使い続けたいデザインを選ぶこと
6年間毎日使うランドセルを選ぶのは、とても難しいことですよね。次ランドセルを見たときには気が変わっているのではないか…とご不安に思われるご家族様もいらっしゃるかと思いますが、鞄工房山本の店舗・出張展示会では、お子さまのお気持ちに寄り添いながら、ラン活がご家族さまにとって素敵な思い出になるよう精一杯お手伝いさせていただきます!
長く使える素材の見分け方
耐久性は天然皮革のほうが高くなります。天然皮革の中でも、コードバンが一番耐久性が高いといえますが、希少な革であること、コードバン製のランドセルを仕立てるためには熟練の技術が必要なことから、扱っているメーカーが少ないため、ぜひお目にかかる機会があったら触って・背負ってみてくださいね。
牛革は次に耐久性が高い素材です。近年では、牛革も様々なカラーやデザインが出ていますので、デザインでも妥協せずに選ぶことが可能です!
人工皮革製では、耐傷性や風合い、重量がそれぞれ異なります。人工皮革の中で強度が高いと言われるのは、クラリーノ タフロック、クラリーノ タフロックNEO、タフガード、アンジュエールが挙げられます。
参考:https://xn--1-tfuvb3hma9bz739co5tb.com/erabu/artificial-leather/#belbio(最終閲覧日:2025年3月8日)
飽きのこない色とデザインの特徴
ベーシックな色やたくさんのお子さまが選ばれる色、また装飾の少ないものは飽きが来ず、長く使える可能性が高いですが、ご自身のお子さまの好みに合わなかった場合は、途中で違うランドセルがほしい…となる可能性もあります。そのため、お子さまの意見を聞くことはとても大切です。とはいえ、派手すぎるデザインや、奇抜な色はご家族様としては不安になることもあるかと思います。
その場合は、以下のような観点で選んでいくのもポイントです。
- 好きな色がワンポイントで入っているものを選ぶ
- 装飾ではなく、刺繍やステッチがかわいらしいものを選ぶ
- 「6年間使う相棒だよ」と伝えてしっかり考えながら選んでもらう
実際の声から分かる!人気ランドセルの6年後の状態
実際に6年間ランドセルを使った子どもたちやご家族様の声を元に、人気モデルの経年変化を紹介します。こちらでご紹介するランドセルの他にもたくさんのお客様からのお声をいただいており、ランドセルと6年間の思い出では、6年間の思い出とともにランドセルの変化をご覧いただけます。
男の子向け人気モデルの使用実績

左下より、アンティークブロンズ(紺)、ブラウニー(紺)、ニュー・アンティーク(キャメル)
お客様の実際のお声
「 男の子だから乱暴に扱ってすぐにボロボロになるのかな?と心配していましたが、綺麗な形のまま6年間を終えることができました。」(レイブラック使用)
「六年間愛用しても型崩れしない素晴らしいランドセルをありがとうございました。」「購入時は少し高いかな、と思っていましたが、6年間子供が愛用してその値打ちがよく分かりました。」(レイブラック 使用)
「多少手荒に扱っても全然へたること無く、6年間息子に寄り添ってくれました。」(リベルタ使用)
女の子向け人気モデルの経年変化

左下より、コスモス(ハーバーブルー)、ブロッサム(黒)、コスモス(赤)
お客様の実際のお声
「ランドセルの決め手は自宅から近くに工房があったことです。何かあってもすぐにメンテナンスしてもらえると思ったからです。でもその必要はありませんでした。6年経った今でも新品の様にきれいなままです。」(ラフィーネ使用)
「この前、入学式の頃と卒業式の写真を見比べたんですけど、ランドセルが全然変わってなくて。ほんと丈夫だなと感じます。」(ブロッサム使用)
「ほんとに丈夫ですよね。凹んだりまったくないし。」(ラフィーネ使用)
ランドセルを長持ちさせるメンテナンス方法とは?
鞄工房山本のランドセルは特別なメンテナンスは必要ないものの、6年間きれいに使い続けるためには、定期的にお手入れをすることでより効果的にきれいを保てます。例えば、雨の日に濡れた場合は乾拭きをしたり、時間があるときにランドセルの中の荷物を出す、ランドセルカバーを外すなどして、湿気や汚れが溜まったままにするのを防ぎましょう!
もし使用上問題があるような問題があれば、6年間無償で保証させていただいていますので、お気軽にカスタマーセンターにご連絡くださいね。
6年後も丈夫に使えるおすすめランドセルは?
鞄工房山本のランドセルは、「6年間使ったあともまた6年間使えそうなほど綺麗です」とお声をいただくことも多く、天然皮革・人工皮革ともにつくりは同じで、奈良の自社工房で裁断から仕上げまで、職人が一つ一つ丁寧に魂こめてつくっています。そのため、ランドセル全ておすすめなのですが、ここでは3つほど特におすすめのモデルをご紹介させていただきます!
コードバン・アンティーク

鞄工房山本のコードバン・アンティークはかぶせの部分にコードバン、本体に牛革を使用したモデルです。コードバンは天然皮革の中でも強度が高く、張りがあって型崩れしにくい素材で、ランドセルの中でも特に動きの多いかぶせの部分にコードバンを使用することで、比較的6年後も美しく使い続ける事ができ、カラーも多いのでお子さまの好みに合わせて色を選ぶことも可能です。また、男の子に人気のレイブラックのかぶせをコードバンにした、コードバン・レイブラックもあります。
本体もコードバンを…とご検討の方は、オールコードバン、光の加減で色の変化を楽しむことができるオールコードバン夢こうろ染をチェックしてみてくださいね。
リベルタ・クラシック

リベルタ・クラシックは鞄工房山本オリジナルのデニム調牛革を使用しているモデルです。デニム調牛革は、牛革に型押しをしているため、表面の傷が目立ちにくくなっています。
額をヌメ革で覆ったリベルタもデニム調牛革を使用しているモデルになります。表面加工を極力おさえナチュラルに仕上げたヌメ革は、使い込むほどに風合いを増していきます。キズが目立ちやすく、水に濡れるとシミや膨らみが現れる場合もありますが、ヌメ革独特の味をお楽しみいただけるため、6年後には風合いを増すことでしょう。
濃い色のランドセル

ニュー・アンティークをはじめ、汚れや傷が目立ちにくいので、濃い色のランドセルもおすすめです。ニュー・アンティークはクラシカルな雰囲気ながら、キューブ型というへりがないデザインでスッキリとしたシルエットになっています。
他のキューブ型のランドセルは、ユニや香久山があり、ヘリがない分他の牛革に比べて軽いという利点もあります。キューブ型ランドセルは、通常型ランドセルの何倍も手間がかかるため、牛革のモデルは少ないですが、鞄工房山本では、3シリーズ全22種類の中から選ぶことができます。「丈夫な牛革がいいけど、少しでも軽くてスッキリしたシルエットがほしい…」とお考えの方はひ一度背負ってみてくださいね。
キューブ型ランドセル・通常型ランドセルのデザインについて詳しくは、「ランドセルのデザイン」をご覧くださいませ。
まとめ
ランドセルの6年後の状態は、ランドセルそのもののつくりや素材、お手入れ方法によって大きく異なります。ランドセルを長く美しく使うためには、選ぶ際に素材そのものの耐久性だけでなく、ランドセル自体のつくりを確認することが重要です。また、お手入れを定期的に行うことで、6年間快適に使い続けることができます。お子さまに、ものを大切に使うという価値観を身につけてほしいとお考えの場合は、鞄工房山本の工房見学もおすすめです。一生に一度のランドセル選び、素敵な出会いがあるよう鞄工房山本のスタッフ一同心から応援をしております!