一生に一度のランドセル選び。わが子のために素敵なランドセルを選びたいという気持ちは、世のご両親、保護者の皆さまが抱く愛情そのものです。それだけ思いのこもった贈り物だけど、決して安くはありません。経済的な理由でお子さまの就学にお困りの保護者さまへ、もしくは身近な誰かがお困りのあなたへ。
ランドセルを購入する際に活用できる、就学援助制度や補助金制度についてわかりやすく解説します。
ランドセル購入に補助金・助成金はある?
ランドセルを購入するための補助金・助成金をお探しの方に、就学援助制度という支援制度をご案内します。
義務教育とはいえ、小学校に通うためには費用がかかります。文房具や体操服、修学旅行、学校給食、入学する際にはランドセルなどの通学鞄も必要です。家庭の経済環境にかかわらず、子どもたちが等しい教育機会を得るため、数多くの自治体で支援がなされています。
就学援助制度の支給条件
就学援助制度とは、学校教育法第十九条「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」に基づき定められています。
その援助を受けられる物品や費用として、以下の品目が定められています。「新入学児童生徒学用品費等」が、ランドセルを購入するための費用にあたります。現在では制服を採用していない小学校も多いようですが、制服の購入にご家庭の負担が必要な場合、同様に支援を受けられるよう用意されています。
- 補助の対象となる品目*
- 学用品費
- 体育実技用具費
- 新入学児童生徒学用品費等
- 通学用品費
- 通学費
- 修学旅行費
- 校外活動費
- 医療費
- 学校給食費
- クラブ活動費
- 生徒会費
- PTA会費
- 卒業アルバム代等
- オンライン学習通信費
※出典: 就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)- 文部科学省
ランドセルの購入に利用できる補助金は、入学準備金や新入学学用品費といった名称で設けられていることが多いです。そのため入学を控えたお子さまのみが対象となるケースが多く、入学前の補助金申請が必要な場合も。いざ申請をしようとしたら、期限を過ぎてしまっていた!なんていうことを防ぐために、就学援助制度について一緒に学んでいきましょう。
就学援助制度の支給額
日々の給食費や通学費、一大イベントの修学旅行にかかる費用などは、その実費が補助金により賄われるケースもあるようです。
ランドセルにまつわる補助金を調べてみたところ、奈良市を含む関西圏、名古屋市、札幌市や明石市、流山市など、さまざまな地域で57,060円と設定されていました。また、横浜市では63,100円、東京都中央区ではなんと74,060円と、筆者の想定を上回る結果でした。
ただし、これらはあくまで一例となりますので、お住まいの自治体ではいくらの支援が用意されているか、「ランドセル 補助金 〇〇(お住いの市区町村)」で検索してみてください。
就学援助制度の支給対象者
令和4年度には、約125万人*が就学援助制度を利用しました。
※出典: 就学援助制度について – 文部科学省
令和4年度の小・中学校(国公私立)、義務教育学校の児童生徒数は約951万人*なので、およそ7.6人にひとりが利用していることがわかります。
では、実際にどのような方が支援の対象となるのでしょうか?
要保護者、もしくは準要保護者として認められた場合、就学援助制度を受けることができます。
- 要保護者…生活保護を受給している世帯の児童生徒
- 準要保護者…生活保護は受給していないものの、同程度に困窮していると認められた世帯の児童生徒
このうち準要保護者として認められるかどうかは、各市町村により異なります。
たとえば、大阪府大阪市の援助を受けられる方に対する取り決め*は以下のとおりです。
※出典: 小・中・義務教育学校の就学援助 – 大阪市
令和7年度(2025年度)就学援助制度のお知らせ【新1年生対象】
上記以外にも、所得審査の上で支給対象であるとみなされる場合もあります。大阪府大阪市の定める所得基準額*は以下のとおりです。
※出典: 小・中・義務教育学校の就学援助 – 大阪市
令和6年度(2024年度)就学援助制度のお知らせ【全学年対象】
就学援助制度の申請方法
「あれ?就学援助制度を利用できるかもしれない!」と思われたら、お住まいの地域での申請方法を確認しましょう。
入学した小学校からお知らせを配布されるところが多いようですが、直接市役所の担当課に申し出る必要があるなど、その申請方法はさまざまです。申請書に必要な事項を記入し、先生や職員の方に直接手渡し、もしくは郵送にて提出します。同時に、支給対象者であることを証明する書類も必要に応じて用意します。
ここでかならずチェックしていただきたいのが、申請期限です。入学前の10月~12月頃の間のみと、受付期間が限られている場合もあります。公的証明書の発行なども必要ですから、ラン活を進めながら補助金のリサーチも進めましょう!
また、補助金が支給される際は、基本的にレシートや領収書の提出を求められます。領収書には、日付、金額、品名の記載がなければ認められません。品名「学用品」では具体的な記載がないとみなされ、対象外とされてしまう事例もありました。かならず「ランドセル」と明記してもらうようにしましょう。
鞄工房山本では、ご購入からお日にちが経過していても領収書の発行を承ります。お気軽にカスタマーサポートへお問い合わせください。
ランドセル購入補助金の具体例
就学援助制度のうち、実際にランドセルを購入する際に利用できる補助金の具体例をご紹介します。
橿原市
ランドセル購入等への援助として、新入学準備金が用意されています。橿原市へ問い合わせたところ、入学前の支給を希望できる場合もあるようです。
こちらでは参考として、令和6年12月時点で橿原市より案内されている就学援助制度の内容*をご紹介します。
支給対象 | 経済的な理由で就学困難な児童・生徒の保護者 (世帯所得が生活保護基準のおおよそ1.3倍程度) |
支給額 | 学校教育上の必要経費の一部 |
申請時期 | 4月下旬から5月末 (学校により締切日は異なります) |
申請方法 | 該当校に申請書、必要書類を提出 |
申請できる人 | 支給対象本人 同一世帯の方 代理人 |
問い合わせ先 | 橿原市教育委員会事務局 学校教育課 |
※参照: 就学援助受給の申請 – 橿原市
大阪市
ランドセル購入等への援助として、入学準備補助金が用意されています。申請区分によっては、入学前に支給されることもあるようです。また、申請区分により支給されない場合があります。お気をつけください。
こちらでは参考として、令和7年(2025年)ご入学の方を対象とした就学援助制度の内容*をご紹介します。お子さまが大阪市立の小学校にご入学予定の方が対象となります。
支給時期 | 入学前の2月末~入学まで | 申請の認定後、学校によって異なります |
支給対象 | ・市民税が非課税の方 ・固定資産税を減免された方 ・個人事業税を減免された方 ・国民年金保険料を減免された方 ・国民健康保険料を減免または徴収猶予された方 ・児童扶養手当の支給を受けている方 ・生活福祉資金の貸付決定を受けた方 ・雇用保険被保険者手帳を有する日雇労働者 の方 ・火災、風水害、震災、その他の災害にあった方 ・生活保護を停止または廃止された方 ・生活保護を受けている方 | 左記に加え、 ・経済的に困っており所得基準額以下の方 |
支給金額 | 57,060円 (実際に支給される金額と異なる場合があります) |
|
申請時期 | 令和6年12月2日~令和6年12月20日 | 令和6年6月28日が提出期限 |
申請方法 | 申請書に記入し、必要書類とあわせて直接持参または送付 | 申請書に記入し、必要書類とあわせて直接持参または送付 (入学後に小学校よりお知らせと申請書が配布される) |
申請提出先 | 通学予定の小学校 | 児童生徒が通っている学校 |
問い合わせ先 | 教育委員会事務局 学校運営支援センター 事務管理担当(就学支援グループ) |
※参照: 小・中・義務教育学校の就学援助 – 大阪市
令和6年度(2024年度)就学援助制度のお知らせ【全学年対象】
令和7年度(2025年度)就学援助制度のお知らせ【新1年生対象】
中央区
ランドセルを購入する費用の援助として、新入学児童生徒学用品費が用意されています。入学前の支給も希望することができるようです。また、入学した後でも次年度の就学援助制度として申請できるので、申請時期が1度きりではないのが安心ですね。
こちらでは参考として、令和6年度に施行された中央区教育委員会就学援助の内容*をご紹介します。中央区にお住まいで、お子さまが国公立小学校にご入学予定の方が対象となります。
支給時期 | 入学前の12月末 | 申請認定後 |
支給対象 | ・現在、生活保護を受けている方 ・現在、生活保護を受けていないが、令和5年度または令和6年度において生活保護が停止又は廃止された方 ・区民税が非課税又は減免された方 ・個人事業税が減免された方 ・国民年金の掛金が減免された方 ・国民健康保険の保険料の減免又は徴収の猶予がされた方 ・児童扶養手当を受給している方 ・世帯の総所得額が基準額未満の方 | |
支給金額 | 74,060円 (金額は審査の上決定されます) |
|
申請時期 | 令和6年10月31日が提出期限 | 令和6年4月30日が提出期限 (入学後に小学校よりお知らせが配布される) |
申請方法 | 申請書に記入し、必要書類とあわせて郵送 | |
申請提出先 | 中央区教育委員会事務局学務課学事係 | |
問い合わせ先 | 中央区教育委員会事務局学務課学事係 |
※参照: 就学援助および就学奨励 – 中央区
新入学児童生徒学用品費の入学前支給(小・中学校) – 中央区
横浜市
入学時に必要な物品(ランドセルを含む)を購入する費用の援助として、入学準備費が用意されています。入学前の支給も希望することができるようです。また、入学した後でも次年度の就学援助制度として申請できるので、申請時期が1度きりではないのが安心ですね。
こちらでは参考として、令和6年に施行された、また令和7年に施行予定の横浜市教育委員会入学準備費の内容*をご紹介します。
支給時期 | 入学前の12月下旬頃 | 入学年度の7月下旬頃 |
支給対象 | ・令和5年4月以降生活保護を受けられなくなった方 ・児童扶養手当を受けている方 ・その他経済的にお困りの方 | 左記に加え、 ・生活保護を受けている方(教育扶助未受給者のみ) |
支給金額 | 63,100円(目安) | |
申請時期 | 令和6年10月23日~令和6年11月5日 | 4月頃 (入学後に小学校よりお知らせが配布される) |
申請方法 | 申請書に記入し、必要書類とあわせて提出 | |
申請提出先 | 就学通知書に記載された就学予定校 | 入学した学校の事務職員 |
問い合わせ先 | 就学通知書に記載された就学予定校 もしくは、横浜市教育委員会 学校支援・地域連携課 就学係 | 入学した学校の事務職員 もしくは、横浜市教育委員会 学校支援・地域連携課 就学係 |
※参照: 「就学援助制度について」 – 横浜市
入学準備費申請(小学校新入学)のお知らせ(PDF:3,463KB)
まとめ
小・中学生の約7.6人にひとりが利用している就学援助制度。もし経済的な理由でお悩みであれば、いちどお住まいの地域に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
また、鞄工房山本のアウトレットストアでは、旧モデルを最大50%オフでご提供しています。ぜひ一度覗いてみてくださいね。
小学校生活に向けてたくさんの準備が必要になってくると思いますが、その中の一つとして、このページが一助になれば幸いです。
▼鞄工房山本 アウトレットストア はこちら