ニュー・アンティーク誕生ヒストリー

今回のテーマはニュー・アンティーク誕生ヒストリーです。
2024年向けランドセルから新たに登場したニュー・アンティーク

二代目・山本が息子のために作ったランドセルがベースとなり、改良に改良を重ね、進化し続けてできたアンティークブロンズ(旧モデル)。さらに2024年向けランドセルではニュー・アンティークとして生まれ変わりました。今回は、その誕生秘話を詳しくご紹介します。

ニュー・アンティーク

1. 親から息子へ

今から30年近く前、鞄工房山本がランドセルメーカーとして、百貨店やブランドのために製造していたころ、二代目・山本の長男が小学校に入学する年になりました。息子のためにと、山本が自分の技術のすべてを注ぎ込んだ愛情いっぱいのランドセル作りをはじめました。そして出来上がったのが山本渾身のランドセル。山本の技術と愛が詰まったランドセルを手に、長男は満面の笑みで「世界に1つだけのランドセル!」と喜んだのでした。

6年間の思い出
約30年前に製作した長男のランドセルは、とくに型崩れすることなく現在もきれいなまま残っています。

2. 愛情を込めたランドセル作り

かつて、ランドセルといえば「黒」と「赤」の2色が主流でした。しかし「紺色がいい!」という長男の想いに、山本は迷わず「紺」色を選びました。息子を思って作ったランドセルには、親心以上の想いが詰まり、その愛情がランドセルにも伝わって長男のもとへ届いたのでしょう。息子へのランドセル作りを通して、直接顔が見える喜び、その人を思って作る楽しみを再認識した山本でした。

3. お兄ちゃんと一緒

しっかりとした作りを維持し、元気な男の子が6年間持っても型崩れしない頑丈さは、アンティークブロンズ(旧モデル)、そしてニュー・アンティークの原型となっています。1年後、次男のためにもうひとつランドセルが作られました。2年生になった長男は、作文でこう書いています。「世界にひとつだけのランドセルを作ってもらったけど、弟が1年生になって世界で2つだけになりました」

4. 子どもたちの成長を見守るランドセル

その7年後、長女のランドセルも丹精込めて作り上げた山本。そして今、そのランドセルたちは奈良本店で元気に飾られています。3人の子どもたちは、たくさんの夢と希望と思い出をランドセルに詰め、6年後にはランドセルが小さくなって、立派なお兄さん・お姉さんへと成長しました。ランドセルに込める1番の願い。それは「6年間、元気に過ごしてほしい」ということです。

二代目・山本が息子のためにつくった1つのランドセルがベースとなり、毎年改良を重ね、進化し続けてアンティークブロンズ(旧モデル)が出来上がりました。

子ども達のランドセル
左から長女・次男・長男のランドセル

5. 時代を反映した新しいランドセルへ

そして2024年ご入学向けランドセルでは、新たにキューブ型となったニュー・アンティークが誕生します。

「天然皮革のランドセル=重い」というイメージをお持ちの方も多いはず。二代目・山本は、お子さまの毎日の通学に少しでも負担が少ないものを……という思いを常に強く抱いていおり、今までも軽量化した金具を使ったり、耐久性に問題のない範囲で革を薄くするなど、天然皮革の素材でも軽く持てる工夫を取り入れてきました。

そして、2023年向けモデルの開発時において、香久山ランドセルで一般的に牛革ランドセルでは珍しいキューブ型を製作し、牛革ランドセルに新たな可能性を見い出すことができました。固い牛革を使ってキューブ型を作るのは非常に難しく、きれいに仕上げるには高い技術が必要ですが、見た目にも妥協を許さない鞄工房山本だからこそ、角の処理にもこだわりました。
※ キューブ型について詳しくは「ランドセルのデザインについて」をご覧ください。

香久山ランドセル

その翌年、ついにニュー・アンティークが生まれます。ニュー・アンティークはキューブ型、前締めベルト無し、名入れネームプレート標準装備の新しい形となりました。重量は1,390gと牛革モデルでは最軽量です。鞄工房山本が長年培ってきた知識と技術が詰まった渾身のランドセルが完成しました。

ニュー・アンティーク

現在の鞄工房山本ランドセルの原点は「息子のために」とつくった世界にひとつのランドセル。今ではスタッフたちが山本の想いを引き継ぎ、お子さまのためのランドセルづくりに励んでいます。

山本と長男

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